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ビバテクノロジーはオープンイノベーションのショーケース!

6/14から4日間、パリでビバテクノロジーというスタートアップの祭典が開かれる。欧州では最大規模。

さて、これ何がポイントかというとタイトルの通りオープンイノベーションのショーケースだというのが最大の売りになっている。

オープンイノベーションとは主に大企業がすべてを内製化せずに、外部の技術を取り入れたり自社の技術(特許)を外部に開放したりして協業することだとざっと理解しているのだけれど、フランスはそれがうまくいってるらしい。

注目すべき点としては、フランスは日本に先行して2013年から政府主導でスタートアップ支援をやっていて、これまで2万社のスタートアップが生まれていて、そのうち、28社がユニコーン。そのユニコーンによって数十万人の雇用が生まれたらしいんですね。(参考記事:JETROビジネス短信

日本もユニコーン100社という野心的な目標を年末ごろに掲げたけれど、そのベンチマークがフランスの事例なんだろうと思います。

フランスも次はユニコーン100社を2030年までに!と掲げいます。そのフランスのスタートアップエコシステムにおいて主導的な役割を担っているのがLVMH(ルイ・ヴィトンやディオールなどのブランドを保有コングロマリット)。

そのLVMHが自分たちの事業と親和性の高いスタートアップを18社選定してビバテクノロジーのLVMHのブースで展示しています。ダイバーシティや生産性、サステナビリティなどのカテゴリーで募集してて、去年?今年は1320社から応募があったそう。

2021年はライブコマースを運営するスウェーデンのスタートアップが大賞に輝いて、現在LVMHの8つのブランドとコラボしています。去年はTOSHIというハイエンドのデリバリーサービスを手掛けるロンドンのスタートアップが大賞になったんだとか。

つまり、LVMHはオープンイノベーションをこのように活用していますよというのがわかる、というわけですね。

ぼくはLVMHのオープンイノベーションの活用事例を上記の2つしか知らないのだけれど、上記2つからLVMHは事業のコアではない間接部門を外部委託してるともとれるなと。自前でライブコマース部門を立ち上げて運営するよりコストも抑えられて実装も早いんでしょう。

少し古いデータだと、かつてP&Gは100件のオープンイノベーションのプログラムを実施して効果検証したところ、自前で開発した場合と比して半分のコストで済んだそうで、それ以降、P&Gの売上高に占めるR&D費率は年々低下しているそう。要するにうまく活用すれば費用対効果が非常に高いということです。

その「うまく」というのがポイントで、オープンイノベーションにはフレームワークというか4つのステップがあります。

  1. what
    社外に求める技術の選定

  2. find
    求める技術の捜索

  3. get
    見つけた技術の評価

  4. manage
    技術の取り込み

で、LVMHのビバテクノロジーにおいての取り組みを当てはめると、事業と親和性の高そうなカテゴリーを決めて(what)、その技術を持ってるスタートアップを募集(find)、選定・展示(get)、コラボレーション開始(manage)という流れ。

非常にうまい仕組みになっているなと。界隈で言われる「世の中の99.99%は社外の人間」「すべての賢い人たちが社内で働いているとは限らない」というのを理解しているように思います。

あと、オープンイノベーションを主宰する上で、相手から選ばれる企業である(≒になる)っていうのが大事なんですが、LVMHはそれを満たしてます。LVMHと提携してます、プロジェクトやったことありますって言えるのはスタートアップにとって実績として大きいでしょう。それに、ビバテクノロジーのブースに出展できるので露出も十分です。

スタートアップ側も新たな取引先開拓にもなるでしょうから、選んでくれたLVMH依存にならずにすみます。双方にとってウィンウィンな関係が築けるというメリットが非常に大きい、ほんとによくできた仕組みだなと。ただイベントの協賛でお金だすだけじゃないっていうね。

チケット代が500ユーロだとかで高いんですけど大企業の動きとして非常に参考になるんじゃないかなと。日本もなんだかんだで大企業が中心なので、こういう可能性というかシナジーをスタートアップとの協業に見出してくれればなと。

(ぼくは予算がでず、渡航叶いませんでした…)

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