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【起業戦略】第7講 Job to be Done理論って何よ?

前回は、プロダクトマーケットフィットについて話したよ。

今回は、最近、日本でも時々耳にするようになってきたJob to be Done(ジョブトゥービーダン)理論について話していく。

聞いたことがない人のために簡単に説明しておくと、サービスや事業を考えるときに使えるのが、このJob to be Done(ジョブトゥービーダン)理論

正しく理解するためには、まず、Jobっていう概念を理解する必要がある。

Jobっていうのは、業務

to be doneってついてるから、日本語に訳すと「やるべき業務」みたいな感じかな。

これが、米国ベンチャー界隈ではめちゃくちゃ流行ってる。この連載で紹介しているMUST理論(提唱者は私w)も、まあ、このJob to be Doneの亜流というか、そのものというか、解釈というか、進化系だ。

さてさて、ここで出てくるJobという概念は、これまた最近よく耳にするようになった「ジョブ型」組織の「ジョブ」とも完全に一致しているし、なんなら「JD(Job Description/職務記述書)」の「ジョブ」とも完全に一致している。

非常に多くの大手米国企業では、会社は「ジョブ型」組織で運営されている。人の集まりが会社じゃなくて、「ジョブ(=業務)」の集まりが会社って考える考え方。

いってみれば、会社が回るのに必要なすべてのジョブが定義されていて、デスクにそのジョブが規定されているみたいなイメージ。そのデスクに座ったひとがそのジョブをやるみたいな。

もちろん、給料もそのデスク(ジョブ)に紐づいている

別に誰が座るかは関係ない

性別、年齢、国籍、、、そんなものはどうでもよくて、そのジョブをこなせるかどうかだけが、問題。

ジョブがこなせるというのは、受け取った何か(インプット)を処理して、求められる形、成果にして出す(アウトプット)できること。そして、そのアウトプットは、多分、別のジョブのインプットになっている。

誰が座っても、給料はそのジョブをやる限り、一緒。このジョブは年俸400万円、このジョブは年俸8,000万円というように、現場から経営層まであらゆるジョブに値段がついているんだ。年齢とか経験とか、社歴とかは関係ない。

こういうのを記述したのが、JDってもの。

ところで、実はこのJDには、MUSTとWANTが必ず記載されている。

JOBに対するMUSTが、このレベルで決められているってことなんだ。

で、このMUSTを満たすということが、このJobを担当する人間に必須で求められていることになる。

Job to be Done理論は、こんな背景から生まれてきた(と思う)。

つまり、サービスなり製品なりを考えるとき、どのJobを完了させるものなのか、から考えるという話。

Jobには個人レベルでもそれが集まった大きな塊でも、MUSTがある訳だから、つまりどんなMUSTを満たすのか、ということから考えるのと同じだと言える。

従来は、よくペルソナ理論というのが、サービスや製品の企画で使われていた。

そのサービス・製品を使う典型的な人(ペルソナ)を出来るだけ解像度高く理解して、そのペルソナが持つニーズやペインを起点に考えましょう、という理論だね。

ジョブを起点に考えるアプローチとはまるで違う

同じJobを持っていても、ペルソナは全然違う、ってことはどこにでもあるでしょ?

こうなると、ペルソナを起点にサービスを考えることの難しさが浮き彫りになるよね。あるペルソナが業務ソフトを使うときに求めること、、、みたいなことを考え始めると、ペルソナが変われば、求めるものも変わっていってしまうし、業務に直接は関係ないものまで出てきてしまうからね。

しかも、この連載で何度も指摘しているけど、個人のペイン解消に、大手の企業が予算を積んでいることは、ほぼ、ない

たぶん、このペルソナというアプローチは、マスマーケティングとかの世界で長年有効だったから、その延長で使われていたんだと思うけど、まあ、そぐわないよね、特にB2Bの製品やサービスの企画には。

本当は2C(個人向け)のサービス開発にだって、ちょっと時代遅れなんじゃないかと個人的には思っている。典型的な40代男性とか、20代女性とかっていう枠で括れる集団は多様化が進んだ現代では、どんどん小さくなっているんじゃないかと思うから。

閑話休題。

この連載で解説しているMUST理論も、ペルソナでマーケットを定義しない

予算が執行される目的(≒Job to be done)のMUSTが、マーケットを定義するし、自社のサービスがマーケットにフィットしているかは、そのMUSTが満たされているかどうかだけが問題だと捉えている。

MUSTに注目することは、非常にシンプルで、分かりやすい世界を見せてくれる。

分かりにくいとされている、Job to be Done理論も、こういう整理をしたら、きっと腹落ちしやすいのでは?

やっぱり、MUST理論だね(笑)

というわけで、今回は、Job to be done理論のお話でした。

次回は、ちょっと話が変わって、予算があたっていない製品やサービスを立ち上げちゃったらどうするの?という話をしていきます。

【起業戦略】第8講 予算が取られていないモノを売る|todomadogiwa @todo_madogiwa #note



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