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古民家での演劇「フーコの家」を観劇してきた話。

こんにちは、佐光です。今回は観劇レポートをお届けしたいと思います。先日6/19と6/20に、有形文化財「藤田家住宅」にて行われた、劇団todokeru,の演劇公演「フーコの家」。はい、タイトルの通り観劇してきました。

ん?
これtodokeru,のブログだよね?と確認された方、すみません。筆者はtodokeru,のメンバーではありますが、今回は客席からの参加となりましたので、観劇、というわけです。

会場は徳島県板野郡北島町にある有形文化財「藤田家住宅」。藤田様のご好意により、通常は非公開の家屋での演劇が実現した、というわけです。お庭も広く、緑も豊か。初日は雨もあり苔に滑る人もいたようですよ。部屋の中、入り口頭上には香炉(?)を置く台があったりもしました。なかなか見ないしつらえですが、これは当時の流行だったのではないか、とのことです。

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さて、お話について。
あらすじはこのような感じ。

「フーコの家」は、ベッドタウンの森の中。鬱蒼と茂る木々の中、存在感を持ってそこにある。そこで暮らすフーコを中心に進められる物語。
フーコはお家で楽しく生活。本を読んだり、お料理したり。
姉の玲子はもともとその家で暮らしていたけれど、今はアパートの管理人としてアパートに住んで家賃収入で生活している。野心を持つが、彼女もまた多くを語らない。
フーコの家に訪れる人々。見え隠れする恋心。姉の知り得ないフーコの人間関係。
姉妹にとってきっかけになっていた一つの出来事が、これまでは時間やいろいろなことを止めていたけれど、互いに一歩踏み出したおかげで、動き出す兆しが見えた。

…というような、まあだいぶぼやかしてますけど、そんな感じの話。演劇ではありますがさわやかな読後感のあるお話でした。

そして、フーコの家の周りに生えているのは梨の木、ということで物語全編にわたって梨が登場します。これもまたさわやか。梨食べたい。

この物語には極端に大きなドラマがあるわけでもない。さざなみのような問題を見ないふりして過ごす日々。誰にでも起こりうる物語を等身大に描いていたと思います。todokeru,という団体が描いていきたい演劇の形、方向性が表現されていて、旗揚げ公演にふさわしい舞台だったと思います。

そして、決して主人公の成長譚ではないというところもポイントかなと。結果として一歩踏み出す、に至るにしても、です。さらにいうなら主人公に共感されることを目的とはしていないお話なのかなと。どちらかというと、フーコの周りの人物に共感する人の方が多かったんじゃないかなと。
おそらく演劇が好きな人や多くの社会人は、玲子に共感する部分が多かったのではないかなと思います。どの人物も魅力的だし、好きだなって思えるんですけど、玲子が等身大の私たちだったな、って思いました。

そんなわけで、私はこのフーコを取り巻く世界がとても好きです。
あと少しですが、、7月4日までなら映像でご覧いただけるので、ぜひ多くの方に観てほしいです。

ところで、こちらの作品、約一時間のお話ながら衣装の種類が多い、多い、多いです。そしてどの絵面も美しい。衣装・美術担当の彼女はあまり自らの苦労や努力を表に出しませんが、打ち合わせ用のラフ、設定画、資料リスト諸々、事務方などもしっかりやり切っていて。存在感のある玲子という役を初舞台で演りながら、すごいなと思うばかりでした。

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そう、旗揚げ公演なんですよ。産休でおやすみしていた私、とはいえ本番参加したかったなあ。なんて思っていたら、影アナ(舞台に出ないアナウンス)どうですか、ということで声をかけてもらえて、本番に参加することができました。そうそう、こういうところが、嬉しいね!
※一応、多少はお手伝いしたこともアピールしておきます。チラシとかパンフレットとか(構成はですやんがしてくれました)ホームページとかその他見えないところね!

フーコの家の物語とさよならしたら、またその次の物語に出会っていける。次はどんなお話を観られるのかな、って今から楽しみです。観る側としても、作り手としても、です。

それではまたね!

★ワンポイント裏話
!ネタバレを含むので見たくない人は見ないでね!










・作中に出てくるお料理は全部大木代表のお手製。5回の本番や、稽古の時を考えると相当な量ですね。食べてみたかったなー!お疲れ様でした。
・舞台に飾られている姉妹や親娘の写真は、実はメンバーの幼少期のお写真。
・気づきましたか?フーコの服は白いブラウスが多いですよね。これは、幼い頃にお母さんに褒められたことが嬉しくて、という設定なのだそうですよ。

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