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人がそこにいるだけで良いと思う。

永見です。
電車の車窓からの景色を眺めている人が好きです。
カウンター席で一人ラーメンを啜っている人が好きです。
犬の散歩をしている人に話しかける人が好きです。
朝マックのために早起きする人が好きです。
可愛い靴下を履く人が好きです。
フレンチでワインか炭酸水を頼む人が好きです。
もらった果物をジャムにする人が好きです。
映画のエンドロールで日本人スタッフの名前を探す人が好きです。
コンビニでいつも同じものを買う人が好きです。
季節ごとに花を買う人が好きです。
もらった花を枯らしてしまう人も好きです。

息を吸って吐いて、ぱちぱちと瞬きをして、右足を出したら左足を出す。
人が生きていて、その人生が垣間見えるだけで愛おしいと感じるこの頃。
舞台上の役者がそれをできたらそれだけで面白いと思う。

普段からしていることだけど、人に見られるとできなくなることの数々。
それでも、脚本から広がった、作り手とお客さんしか存在しない空間で、役者は動いて話すことのできる楽しい役回りだ。舞台は狭くて、どこまでも広くて、不自由で、自由な、息が詰まりそうで、心地の良い、そんな場所。

今回、劇団の若手のキャストの中には、舞台に立つのが初めての人たちがいる。明確な不安や漠然とした怖い気持ちもあると思います。

みんなに安心してほしいので、わたしがこれまでの演劇人生でいただいた役のいくつかをお伝えします。

雷、スカイツリー、タヌキ、虫と野球勝負する女子高生、ロボット刑事、宇宙の大悪党。

楽しくなかった舞台はありません。役がどういう人生を歩んできたのか。どうしたらお客さんからそう見えるのか。考えることをやめないことが、楽しかったんだと思います。

わたしは、ここからみんながどんな役者や作り手になっていくのかがすごく楽しみです。

舞台上で、お客さんから愛される役者になってほしいなと思います。


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