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出荷-在庫バランスがプラスを維持~2024年5月の鉱工業生産指数(速報)

 2024年4月の鉱工業生産指数の速報値が本日(6/28)公表されました。日経は、民間予測(2.0%上昇)を上回り、前月比2.8%上昇となったことに注目しています。私は、GDP統計と同じように前年同期比(前年同月比)に注目して観察してみたいと思います。


5月の鉱工業生産の前年同月比上昇率は2023年10月以来のプラス

 前年同月比でみると、2024年5月の生産は0.3%上昇。2023年10月(0.9%上昇)以来のプラスでした。ただ、4月のマイナス(1.8%低下)が大きく、4~5月平均では0.8%低下と2023年7~9月期以来のマイナスとなっています。
 一方、出荷-在庫バランスは、4月のプラス1.0ポイント(出荷が1.4%低下、在庫が2.4%低下)に続き、5月はプラス2.8ポイント(出荷が0.9%上昇、在庫が1.9%低下)となり、プラス幅が拡大しています。4~5月平均ではプラス1.8ポイント(出荷が0.3%低下、在庫が2.1%低下)と、先月のnoteで書いた「2021年7-9月期以来のプラス幅」に変わりありません。

電子部品・デバイス工業の好調続く

 業種別の生産と出荷-在庫バランスの動向を確認してみましょう。前年同月比でみると、2024年4月は4業種(金属製品工業、生産用機械工業、電子部品・デバイス工業、食料品・たばこ工業)の生産がプラスでしたが、5月は4業種ながら顔ぶれは、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業、石油・石炭製品、プラスチック製品工業と変わっています。なお、化学工業(医薬品を除く)もプラス(1.2%上昇)です。医薬品を含めた化学工業、食料品・たばこ工業の実績値が判明する確報時点で、プラスの業種がどこまで広がるか楽しみですね。

 出荷・在庫バランスは、鉄鋼・非鉄金属工業、金属製品工業、電子部品・デバイス工業、窯業・土石製品工業、化学工業、プラスチック製品工業、パルプ・紙・加工品工業が4月、5月ともにプラスとなっています。輸送機械工業は4月はプラスでしたが、5月はマイナスに転じています。化学工業(除く医薬品)もプラス5.1%(出荷が1.2%上昇、在庫が3.9%低下)でした。こちらもプラスの業種の広がりに注目したいと思います。


#日経COMEMO #NIKKEI

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