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(素案)生涯学習2.0構想〜地域における「学び」をアップデートする

こんにちは、戸田です。

2020年、掛川市を拠点に「生涯学習をアップデートする "生涯学習2.0"」を構想中です。

これは、テクノロジーの力を活かして、地域における「学び」のあり方をアップデートし、住む場所に依らず、自己変革をめざす人が学び続けられる環境を構築することを目指した構想です。
今年はその推進に尽力する一年にしていきたいと考えています。

そもそも「生涯学習」とは?

「生涯学習」という概念が用いられるようになった歴史は、1965年のユネスコ会議にて、フランス人のラングラン(P.Lengrand)が「éducation permanente」という語を用いたのがその始まりとされています。
当時、教育とは未成熟な子ども・青年が受けるものであるという考え方が一般的な中で、教育は生涯続くものである、という考え方を提唱したとされています。

この語が英語に訳される際、そのままの直訳では「生涯学校へ通い、教育を受ける」という印象が強くなるため、「lifelong education」と訳され、これが日本語に訳されたのが「生涯教育」となり、さらに「生涯学習」と変化していきました。

人の学びは、学校教育によるものだけでなく、家庭での教育、就職後の企業教育、地域コミュニティにおける教育など、多岐に渡ります。
さらに言えば、例えば友達付き合い、上司との飲み会など、教育とされない活動からも人は学びます。

学校教育を含めつつ、こうした学校に依らない教育や、教育によらない学習行動全体を包含するのが「生涯学習」という概念です。

なぜ今なのか?

現代ほど、この生涯学習が重要になっている時代はありません。
それは、社会に変化を及ぼす技術革新の進むスピードが、劇的に早くなっているためです。

日本では、2002年にほとんどの公立学校にインターネットに繋がれたコンピュータが配備されました。
それから18年、今では多くの中高生がスマートフォンを片手に動画サイトやSNSを楽しみ、ほとんどの企業の事務机にはパソコンが置かれ、日常的な情報収集にもインターネットが活用されています。
こうした変化が起こることを20年前に予測することはほとんど不可能でした。

また、英国の研究者カール・ベネディクト・フレイ及びマイケル・A・オズボーンは「今後 10~20 年程度で、米国の 47%の仕事が自動化される」と、米国のキャシー・N・デビッドソンは「2011 年に米国の小学校に入学した子供たちの 65%は、大学卒業後、今は存在していない職業に就く」と予測しています。

こうした変化の早い社会においては、一生のうちに必要となる知識を事前に学校教育の中で教えておくことは現実的ではなく、変わりゆく社会や技術、情報に適応しながら、学び続ける「生涯学習」が求められるのです。

なぜ掛川なのか?

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掛川市では、1979年、全国に先駆けて「生涯学習都市宣言」を行い、2007年に掛川市議会にて「生涯学習都市宣言」を決議しました。
掛川市における生涯学習の特色とは、個人の学びを自己の充実のみならず、まちづくりに生かしていこうという点にあります。
具体的には、民間で行われている文化・教養講座は基本的に市では開設せず、まちづくり活動につながる事業やその担い手を育成する事業に集中投資したり、一人ひとりの生涯学習活動で自己を高めた市民が、このまちで活躍し、さらにこのまちをよくする担い手・主体として社会参画してもらうような仕掛けや事業を実施しています。

掛川市は、こうした「生涯学習によるまちづくり」という理念が息づいている地域と言えます。

一方、現代社会において、ある種の切実さをもって求められている、一人ひとりが生きていくための、一人ひとりの豊かさのための生涯学習は、従来そこまで重視されてきませんでした。

こうした歴史と背景を持つ地域において、まち全体のための生涯学習だけでなく、個人が未来を切り拓いていくための生涯学習に注力し、そして将来的には成長した個人がまち全体に貢献する、そうしたサイクルを回していきたいと考えています。

生涯学習2.0の主な対象と方針

こうした文脈の上で、生涯学習2.0の主な対象者を次の通り考えています。

・学びによって、自分を変えたい、変わりたい、自己変革を目指す人
・学びによって、まちをよくしたい、まちの変革を目指す人

そして、生涯学習2.0の方針として、次の3つを掲げます。

①IT×生涯学習
情報技術の発展により、学習コンテンツはインターネットから大量に入手することができます。また、学習アプリなども廉価に、簡単に利用できるものが多く存在します。
現代社会で何かを学習する際に、こうした便利なツールを使わない手はありません。
そのため、生涯学習2.0では、ITを活用した生涯学習を推進します。

②継続を支援する仕組み
現代社会では、学習しようと思った時、アクセスできるコンテンツは大量に流通しています。
こうした中で、生涯学習のハードルは、学習するコンテンツが手に入らないことではなく、そのコンテンツを利用して学習を継続することにあります。
そのため、生涯学習2.0では、学習者間のコミュニティ機能、学習支援者によるコーチング機能を設け、学習を継続しやすい環境を整えます。

③研究によるまちづくりへの貢献
先述の通り、掛川市では、生涯学習とまちづくりが密接に関わってきました。
まち全体のためだけでなく、個人のための生涯学習にも注力しようと書きましたが、生涯学習2.0においても、まちづくりと生涯学習の関わりはもちろん大切なものです。
そのため、生涯学習2.0では、政策立案に資する調査研究、地域の経営者学びの機会づくりなどに取り組みます。

生涯学習2.0が担う機能

コンセプトをふまえつつ、生涯学習2.0が担う機能を次の通り想定しています。

①コミュニティ
学習者がお互いを助け合い・応援しあえるコミュニティを形成します。

②コーチング
コーチを育成し、コーチングによって学習者の学びの継続を支援します。

③調査・研究支援
まちづくりに資する調査・研究について、その企画、執筆、発表を支援します。

④情報発信
学習者がその成果を発信する場の提供、生涯学習に関連する講座・イベントの情報収集、発信を行います。

⑤講座の企画・開催
おもしろくてためになって実際の「稼ぎ」や「キャリア」につながる講座を企画・開催します。

初期の取組アイデア

立ち上げ初期の取組のアイデアとしては、次のような取組を考えています。

①コミュニティ
会員のみ参加できるFacebookグループを利用したコミュニティを作成し、月1回程度のオフ会の開催。

②コーチング
コーチング育成講座の開催や、相互コーチングによる実践トレーニングの実施。

③調査・研究支援
行政、議員、企業、市民がフラットに学び議論する研究会の企画・運営
(テーマ例)
 ・自動運転によるまちづくり研究会
 ・茶業・農林業における気候変動適応に向けた研究会 など

④情報発信
Webサイト・SNSによる講座・イベント情報の発信。

⑤講座の企画・開催
月1回程度の講座の企画・開催。
(テーマ例)
 ・経営者向け「今日から使えるテクノロジー活用時短術」
 ・求職者向け「自信を持って事務職に応募できるExcelスキル」
 ・若者向け「10年後の仕事はどうなる?キャリアプランづくり」
 ・高齢者向け:「イマドキの高校生に教えてもらうIT活用講座」 など

継続していくために:協力してくださる方、大募集

さて、ここまで「こんなことがしたい!」という構想、というか妄想を書き連ねてきました。
当然、これらすべてを僕一人で実行するのは不可能です。
また、継続していくためには、企画・運営に関わった人がその投入時間に応じてきちんと報酬を得られることが大切だと考えています。

そこで、この取組に興味を持ってくださったようでしたら、ぜひ何らかの形で関わっていただけましたら幸いです。

①参加者として
ぜひ生涯学習をする一人としてご参加ください。
また、初期のコンテンツのアイデアがまだまだ不足しています。
「こんな講座があったらぜひ参加したい」「こんな支援があったら会費を払ってもいいかな」というニーズをぜひお聞かせください。

②スタッフとして
運営スタッフとして、僕と一緒に立ち上げ準備を手伝ってくださる方、大歓迎です。
最初は手弁当になっちゃいますが、なるべく早めに手当を出せるようにがんばります。
興味ありましたらぜひご連絡ください。

③サポーターとして
趣旨に共感して「ちょっとくらいだったらお金出してもいいよ」という方、サポーター会員として、ぜひご参加ください。
といってもまだ詳しい会費などを決めていませんので、まずはご相談させていただければと思います。


以上、ここまで長文にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

2020年、掛川から新しい生涯学習のカタチを模索し、作っていければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。


参考文献
・関口礼子,西岡正子ほか『新しい時代の生涯学習(第3版)』,有斐閣,2018
・教育再生実行会議「「学び続ける」社会、全員参加型社会、地方創生を実現する教育の在り方について(第六次提言)」,首相官邸,2015,https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/teigen.html
・掛川市Webサイト「生涯学習宣言都市・掛川」,http://www.city.kakegawa.shizuoka.jp/city/shogaigakusyu/shougaigakushuu.html

Photo by Priscilla Du Preez on Unsplash

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