【読書記録】プロダクトマネージャーのしごと(その1/2)
参考になった書籍についてまとめました。個人的な抜粋と感想です。
興味を持たれた方は書籍全体をお読みください。
パーンと頬を打たれ「プロダクトマネージャーなんだったら正しいやり方を探すんじゃなくて、あなたの仕事にベストを尽くすことに集中しろよ!」って感じの本です。
How to本だと思って手に取ると火傷します。
データサイエンティストとして働いていたのですが、いつの間にやらプロダクトマネージャー(PdM)のような役割を任され、ロードマップを作ったり、課題の優先順位をメンバーへ説明したり、KPI設計/管理したり、顧客インタビューやフィードバック受けてプロダクトに反映させたり、リソース管理や採用やったり、メンバーのキャリア相談に乗ってみたり・・・
って、PdMってなんなん?仕事範囲が広すぎとちゃう?これって普通なんか?ってなりましたので、PdM関連書籍を読み漁りました。
その一つが、マット・ルメイさんが書いた「プロダクトマネージャーのしごと」です。
ボリューム満点の内容なので、各章で私がアンダーラインを引いた部分とその時の感想を備忘録的にまとめていきたいと思います!
1章 プロダクトマネジメントの実践
プロダクトマネージャー(PdM)ってなんなの?定義は不可能。
ビジネスと顧客のあいだの価値交換の管理人(by メリッサ・ペリ)
終わらせる必要があれば、それがPdMの仕事です。現実世界の厄介な人をつなげ、大きな責任を果たす役割です。誰も明確な役割を教えてくれません。
よくないPdMのプロフィール
ジャーゴンジョッキー、スティーブ・ジョブズ信奉者、英雄、頑張り屋さん、プロダクト殉教者
自分の知識やスキルを誇示する
長時間労働ではなく、チームのインパクト。
→ PdMというものを感じていただきたいです。私は「価値に直結するど真ん中に立ち、関係者を繋ぐ役割」と理解しました。
2章 プロダクトマネジメントのCOREスキル
よくあるベン図(各スキルを円で表した図)は、立ち位置を示すのに便利だが、すべきことを表現するには不十分である。
プロダクトマネジメントの日々の仕事で必要なものはCOREスキル
Communicate:心地よさより明確さ
Organize:自らを不要とせよ
Research:ユーザーの現実に生きよ
Execute:全ての努力はアウトカムのために
顧客ニーズを見出すためのリサーチ、ニーズを明確にし広めるためのコミュニケーション、効果的な解決策に優先順位を設定するための組織化、およびそれらの解決策の実行。
技術スキルについてはプロフェッショナルでなくてもいいが、知らないでは通らない。
→ 全てに精通している必要はなく、全てに関心を持ち、繋げ、クライアントに価値を提供する役割ということ。
3章 好奇心をあらわにする
しなやかなマインドセット(失敗や挫折を学習の機会と捉える)で、組織のゴールに意識を集中させる。
何か(自分の意見だったり、すでに決まっている計画だったり・・・)を守ろうとする動きは害にしかならず、どんな意見に対しても「いいね、素晴らしい」と言って時間をあけて考える。
メンバーに対しても守りの姿勢が発動しないように「なぜ」と聞くところを「やり方を見せてもらえますか?」と言い換える配慮が必要。
→ プロダクトに関わる全ての人に対して純粋な関心を持つことが重要と学びました。これ結構大切だと思いました。
4章 過剰コミュニケーションの技術
コミュニケーション不足よりかは過剰な方がはるかに良い。
「あたりまえ」のことは明確に説明し、共通理解にする。
会話をアウトカムに集中させる。「この状況で、期待したアウトカムは得られましたか?」
依頼は単刀直入に。
積極的かつ具体的なフィードバックと賛同。(Disagree & Commit)
戦術的な会話を戦略的な会話にレベルアップ。
→ この章も重要なことがたくさん書かれていました。論点に対しての前提や背景を共有しておくことの重要性。ゴール達成のために必要であれば遠慮しないプロ意識。
5章 シニアステークホルダーと働く
シニアステークホルダー(組織で直接的な意思決定をする権限を持つ人)に対して「勝つ」ことを目的にしてはならない。意思決定を支援し、価値に対して協力的な思考パートナーであることを示す。
制約を素直に認め、その制約の中でインパクトを最大化。
ビジネスゴールとユーザーニーズを結びつける。
素直な気持ちで、好奇心を持って、我慢強く。
→ 意思決定者と敵対するのは得策ではありません。各自がポジショントークを行っていることを理解し、影響を与えるよりも情報提供に専念しようと思います。もちろん、状況に応じて早めに手を引くことも大切と感じました。
6章 ユーザーに話しかける
ユーザーの現実に生きよ。
ユーザーとステークホルダーは違う。
ユーザーリサーチの方法を理解しておくことが重要。
ユーザーペルソナ/アンチペルソナは定期的に更新する。
ユーザーニーズを理解し、最良の取り組みを実装するのはあなたの仕事です。
ユーザーニーズとビジネスゴールの緊張感をより効果的に管理するため、リサーチャーとプロダクトマネージャーは積極的に協働することが推奨される。
→ デプスインタビューが苦手な自分(データサイエンスが背景なので、どうしても定量データの方が居心地がいいです。)にとっては、そこからインサイトを出してくるリサーチャーやデザイナーは神です。定性と定量リサーチを組み合わせて、ユーザー理解を日常的に澱みなく実施されていることが目指すところと理解しました。
7章 「ベストプラクティス」のワーストなところ
ベストプラクティスは組織にポジティブな変化をもたらす最初のステップであって、解決策ではない。期限付きの実験で、継続的に調整が必要と肝に銘じる。
ユーザーに価値を届けるのにどう役立つかが重要。アウトカム志向。
組織のゴールとニーズを理解するために時間をかけよう。
→ 壁にぶつかったり、弱っている時には、簡単な方法論にすがりたくなることがあります。しかし、結局のところ、PDCAサイクルを着実に回すことが最も重要。はい、肝に銘じます。
8章 アジャイルについての素晴らしくも残念な真実
アジャイルは方法論ではなく、ムーブメント(組織文化やマインドセットの変革を目指す動き)。
なぜするのか、何をするのかを明確にする。(「アジャイルの心」:協調する、遂行する、内省する、改善する。)
→ 手段が目的化するというとはこの事だと思う場面を目にすることがあります。全く異なる文脈ですが、「心理的安全性」や「多様性」など言葉が一人歩きしているものってありますよね。本質を理解することの重要性を感じます。
感想
内容が濃いですね。
プロダクトマネジメントの実践マインドセット本といった感じです。読み進めるにあたりわからない概念や用語については他の本で補いながらざっと通して読むのがおすすめです。
『プロダクトが生み出す価値をユーザーに届けることに責任を持つべきだ』というシンプルな教えが一貫して記されています。
日々の業務に追われて、本質を見失いそうになったときや迷いが出た時にもう一度読み返したいと思います。
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