見出し画像

夫が発達障害 絶望の先で拾ったダイヤモンド

前回はカサンドラさんの結婚生活について、離婚に踏み切るか 一旦継続を試みるかという記事を書きました。(※1)

将来どうなるかは誰にもわからないことですが、現時点で もう少し頑張ってみようと思った方は、単なる諦めの上にあなたの人生や結婚生活が成り立つということだけは避けてほしいなと願ってやみません。
だって、あなたは幸せになるためにこの世に生まれてきているのですから。
幸せであることは諦めないでほしいです。


|どうぜ絶望なら踏み出してみませんか

SNS上には夫のアスペやADHDで苦しむカサンドラさん達の声が、それはそれはたくさん見られます。
カサンドラさん達が毎日毎日 苦しみ、泣いて、絶望している姿は、筆者が10年間苦しみもがいていた姿と重なります。
人間関係において、「相手は変えられない」というのは周知のことですが、こと結婚生活上での発達障害問題に関しては、困り感のないパートナー、または知ることを怖がり目をそらしているパートナーが日々あれこれと やらかし、カサンドラさんが孤軍奮闘して重い重い負担を背負っているという、なんとかならんのか!のエンドレスロード。

筆者も想定外の夫の言動や攻撃に苦しみ打ちのめされ、毎日毎日 どうしたら良いのか解決方法を考えて、出来る限りの行動をしたけれど 10年間 功をなすものは見つかりませんでした。
仕事のスキルアップで講習を受けた際に夫に使えそうなことを実践しても、カウンセリング特有の “理解共感を示し寄り添う姿勢” は夫だけが気持ち良くなり増長するだけ。
パワハラモラハラ夫と良い関係を作るというワークショップ、自分の非や言い訳を全て認めるというワークショップにも参加し関係改善を試みるも全く通用せず。
離婚しかない、こんな毎日で人生を終わるのはイヤだ、でも簡単に放り出したくない、自分にできることは本当にもう無いと言える?
毎日毎日、同じことを頭の中でぐるぐる考えて、常にどこか体調が悪く、慢性の病気を発症して通院5年、難病にも罹患し自宅と病院の往復がライフワークになる始末。

別居か離婚以外に方法はないんだな、そう決心して離婚に向けて準備を始めて、とん挫したことで方向性を変えて現在に至っています。


|離婚準備から見えた足元のダイヤモンド

離婚を本気で考え、準備を始め、挫折し、身動きのしようがなくなってしまい、やけくそになり、発達障害の理解なんてクソクラエ!と夫を理解する努力を辞めてしまいました。

ところが、驚くことに、なんとそこから夫婦の関係に変化が起こり始めたのです。

おかしなことに、摩訶不思議なことに、この時から夫の態度が変わったのです。
何故??? 
夫の心理にどんな変化が起きた? 
それは単に妻に去られたくない夫の焦りとは違います。
思いを巡らし、心理学上のある理論と夫のこの時の態度が過去に支援していた子ども達と同じということに気がついたのです💡✨

筆者はスクールカウンセラー時代に軽度発達障害の子ども達を支援していました。
この支援から子ども達や保護者の方から本当にたくさんの貴重な経験をさせていただいたのですが、まさに夫の態度があの頃 支援していた子ども達と重なり、夫婦生活に変化を起こす、私が私らしく生きるための強い戦力になりました。
夫が見過ごされてきた子ども達(※2)であり、大人の発達障害(※3)であることの本当の姿。
成人としての言動に隠れているけれど、ベースは子ども達が持つ特性と変わらないことに深く納得できたのです。
同時に、筆者を含め世間で言われる発達障害を持つ大人への理解について思い込みをしている面があることにも気づきました。
そのことが自分を苦しめていることを発見し、それらの気づきを土台に
カサンドラ症候群回復のステップを見出しました。

そこから私たちの関係は、あっという間に変化しました。
毎日怒鳴っていた夫は怒鳴らなくなり、他者批判もめっきり減りました。
私は自分の意見をだいぶ言えるようになりました。
10年間私を苦しめてきたのは夫が持つ発達障害の特徴ですが、それが落ち着いてくると良い面も見えてきます。
多動力が良い方向に働いていると頼み事はさっさと片付くし、また彼ら特有の純粋さにホッとすることもあります。

こんなふうに彼を思える日が来るなんて。
夫に死んでほしいと願っていた日々、私が死んでしまおうと思い詰めた日々(※4)、幸せなんて1つも見つけられなかったし、これからも心の安息や幸せなんて縁のない人生だと思っていたのに。

この関係改善は、磨けば光る小さなダイヤモンドを拾ったような、そのダイヤが夕陽を浴びてキラキラと光っているような、そんな驚きと希望を与えてくれたのです。

※1 カサンドラ症候群  離婚? 継続?
※2 夫が発達障害だった! 見過ごされてきた子ども達
※3 大人の発達障害って?
※4   カサンドラだった私が自殺を考えた日々

発達障害の特性はなくなるものではありません。
でも、私たちが苦しめられている多くの出来事や感情の揺れの多くは『特性』の周りに余分なものがたくさんくっついているのです。
おはぎの中のもち米が大人の発達障害の特性だったとしたら、私たちは余分な餡子の部分も特性と勘違いしている。
その餡子を取り除くと、夫婦関係はすこぶる楽になっていきます。

その餡子を取り除く作業をするのは『あなた』です。
夫ではなく『あなた』ですよ。
人は変えられませんから。

では、いったい何をしたらよいのか。
次回からお伝えしていきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?