見出し画像

美しき歴代のMacたち

0. はじめに

私がMacを使い始めたのは、1991年春。
所属していたゼミの教授がMac使いだったので、Macについて調べてみようと思い、生協でMacの解説本を立ち読みしたのが始まりでした。
デザインも操作性も洗練されていて、私の知っているコンピューターとはまるで別物だったことに強い衝撃を受け、以来、ずっとMacユーザーであり、Appleの大ファンです。

ところが、常に洗練されていたわけじゃなく、長い迷走期や倒産が噂されるような時期もありました。(iPhone以降のユーザーには、想像もできないでしょうが。)

ふと、美しいと思ったMacを並べてみたいと思い、これまでの歴史を振り返ってみました。


1. Macintosh Classic II (1991年)

私が初めて購入したMacです。

Macintosh Classic II

とにかく、シンプルで美しい。これに尽きます。
先代モデルのClassicや、同時期に販売されていたLCなども同じデザインで統一されており、いずれも美しかったです。


2. Macintosh LC II (1992年)

まさに、Classic II と同時期に販売されていたモデルの1つです。

Macintosh LC II

今、こうしてみると、Mac mini の源流のようなものを感じます。
当時の技術だと、これが精一杯の薄さと小ささだったんでしょうが、余計なものを排除して、極限までにシンプルさを追求した結果が、このデザインじゃないでしょうか。
むしろ、底面積を小さくできないことを逆手に取り、専用モニタと幅を統一することで、全体として美しいデザインに仕上げたんだと思います。

先代モデルのLCと後継モデルのLC IIIは、全く同じデザインなのですが、その次のLC 475で最悪のデザインに改悪されました。
しかも、他のモデルも同じデザインに統一されました。

以降、Steve Jobs 氏が復帰して Jonathan Ive 氏との名コンビが誕生する1997年まで、デザイン低迷期が続きます。


3. twentieth anniversary Macintosh (1997年)

Apple創立20周年を記念して発売された、特別なMacです。
世界限定12,000台でした。

twentieth anniversary Macintosh

デザインもスペックも特別でしたが、お値段も特別で日本価格は888,000円。
憧れるだけで終わっていたのですが、思ったよりも売れなかったようで、1999年に新品を247,000円で購入しました。

ちなみに、BOSEの専用サブウーハーがセットで、起動音は重厚感がありました。そして、キーボードのニーパッドは革張りでした。

小ネタですが、オーナーは愛着を込めてTAMと呼んでました。


4. 初代 iMac (1998年)

ここからAppleの快進撃が始まった、象徴的なMacです。
ブラウン管だからこそ生まれたデザインであり、ポップだけど安っぽさを感じない素材でした。

また、初のファンレスMacでした。
耳障りなファンの音がしないというのが、こんなにも快適なのかと、実に革命的でした。

そして、ボンダイブルーとスケルトンが、世の中のありとあらゆる製品に真似され、一大ブームとなりました。

初代 iMac

5. Power Mac G4 Cube (2000年)

これまた、従来の常識にとらわれないデザインの美しさ。

Power Mac G4 Cube

今、改めて見ると、Mac mini に通じるシンプルさがありますね。
ただ、なぜか売れなくて、1年で製造中止になりました。
私は、買いたくても買えなかった派です。


6. PowerBook G4 (2001年)

今の MacBook Pro のご先祖様です。
既に面影があるように思います。
ちなみに、チタンボディだったせいか、薄いのに重かったです。

PowerBook G4

7. PowerBook G4 12inch (2004年)

当時、小ぶりなMacBookがなかったのですが、待望の小さなMacBookがこれでした。
小さい代わりに分厚かったのですが、アルミボディになったおかげで、当時としては軽かったです。
キーボードの色がアルミボディと同色で一体感があり、質感は高かったです。

PowerBook G4 12inch

8. 初代 Mac mini (2005年)

シンプルの極みです。美しい。
今、振り返ってみると、当時の技術でよくここまで削ぎ落としたなと思います。

初代 Mac mini

9. 初代 MacBook Air (2008年)

歴史に残る最高傑作です。
先端が極限まで薄い、くさび形のデザインを、私は最高に気に入ってます。

初代 MacBook Air

薄くて軽いだけではなく、すべての接続をワイヤレス前提にし、外部端子は電源を除けば、USBが1つとイヤホンジャックのみ。
しかも、使わない時は蓋が閉まって、外部端子が隠れて見えないようになっていました。
実に美しい。

ただ、挑戦的なデザインの代償は大きく、日本の夏だと熱暴走してまともに動きませんでした。
世界中で似たような現象が起きたようで、CPUのクロック周波数を落とすツールを使い、誤魔化しながら使ったものです。
私は、偉大なる試作品だったと思ってます。

ちなみに、当時の衝撃のCMです。


10. Mac Pro (2013年)

HomePodのご先祖様と思えるデザインです。
ただ、実用性がなかったのか、本来のターゲットであるプロユースには不向きだったようですね。
私は好きですけど。

Mac Pro

11. M1 MacBook Air (2020年)

Apple Silicon を初めて搭載した、新しい MacBook Air が誕生しました。

M1 MacBook Air

デザイン的には Intel MacBook Air そのものだったので、新鮮味はなかったと思いますが、外部端子はUSB Type-Cが2つと、イヤホンジャックのみ。
そう、初代 MacBook Air の意志を、脈々と受け継いでおります。

一方、中身は劇的な進化を遂げ、ファンレスの MacBook Air になりました。
iMovieでフルHDのエンコードをしても、同時に他の作業もストレスなくこなし、裏では8コアGPUがフル稼働なのに、何の音もしないという、実にクールなMacです。

当時、2012年式の初代Retina搭載 MacBook Pro を使っていましたが、発売と同時に購入し、今の愛機でもあります。


12. M1 Mac mini (2020年)

初代 Mac mini を開発した人たちは、本当はこういうのを作りたかったんでしょうね。
完璧です。

M1 Mac mini

00. あとがき

こうして眺めてみると、ここに挙げたいずれのMacも、古さを感じないことに驚きました。

シンプルさを追求するのって、本質を炙り出すことだと思うんです。
そして、本質には時代に左右されない普遍性が備わっている。
だから、シンプルで美しいデザインは、永遠に美しんだと思います。

今はもう、Appleには Steve Jobs 氏も Jonathan Ive 氏もいませんが、これからも美しい製品を世に放ち続けることを、切に願います。

いいなと思ったら応援しよう!