ショーケン&ジュリー 萩原健一と沢田研二
「ジュリー」蜷川幸雄(1985年8月3日)日本経済新聞 寄稿
出会ったのは12、3年前、帝国ホテルの横(日生劇場あたりか)を歩いていたら、ショーケンと一緒にいたジュリーと出くわし、3人でホテルのカフェでお茶を飲んだ時。ジュリーはひと言も喋らなかった。ショーケンは、二人でみてきたばかりの「狼たちの午後 Dog Day Afternoon」の話を興奮気味に語った。立ち上がり「アル・パチーノはこんな風にやってたんだよね」と、通路で演技を真似たりした。ジュリーは僕らの会話に加わらず、黙ってコミック雑誌を読んでいた。表情からは僕らの話が聞こえているのか判断することは出来なかった。
70年代当時、ショーケンとジュリーが並んで「狼たちの午後」をみていたなんてエピソードは、実にワクワクする。
*「狼たちの午後 Dog Day Afternoon」…「ゴッドファーザー」でスターダムに駆け上がった、アメリカンニューシネマを代表する新星アル・パチーノが、実在の銀行強盗犯を演じ、テレビ出身の社会派シドニー・ルメット監督が撮った映画で、共演は演技派でゴッドファーザーではマイケル(アル)の兄フレドーを演じたジョン・カツァール。性転換を望む「妻」のために強盗をするソニー(結婚し妻子もあるバイセクシャル)が主人公で、同性愛を描いたリアルで臨場感あふれる(BGMも一切排除されている)革新的な作品。
沢田研二と萩原健一 ハンディカメラが無かった頃、デカカメを大人3人がかりで持ちながら、地下鉄🚇丸の内線、新宿ゴールデン街などのロケ撮影を決行した、貴重な映像☟
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?