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「うって変わってモノレール」 吹奏楽団四年 遠藤

皆さん、合格発表の前日には何が必要かご存知でしょうか。そうです現実逃避です。
こんな日にはどうでもいいことを考えたっていいじゃないですか。そして我々も応援部の話をやめたっていいじゃないですか……。
ということでうって変わって私の趣味の話をしようと思います。
私の趣味と言うと主に小説が出てきます。他にもゲームですとか映画ですとか、まあ大半がインドアな趣味を持っているのですが、唯一積極的に外に出るものがあります。電車です。
私は電車に乗るのがものすごく好きです。電車に乗って本を読むのも好きです。電車に乗ってさえすれば何でもいいのです。電車に乗って電車の音を聞きながら揺れを感じていると、なんとなく充実した気分になってきて、外を見ていると時間を忘れてしまいます。
特に好きなのはモノレールです。
先日私はわざわざモノレールに乗りに浜松町まで行ってきました。


浜松町からは東京モノレールというものが出ており、羽田空港まで繋がっています。一時的に飛行機によく乗る期間があって、その時はよく東京モノレールを使っていたのですが、最近は乗る機会などありません。大学と家との往復で千代田線を使うばかりです。千代田線というのは外が見えません。外の見えない電車はただの押し寿司と一緒です。横揺れのする押し寿司です。毎日押されているとなんだか虚しくなってきます。大学生活が長く続くと、モノレールに乗るだけでも現実逃避となりえます。
春休みになったのをいいことに浜松町まで出かけました。久しぶりのモノレールは、それはとても気持ちが良かったです。東京モノレールというのは一度反対側まで行くのに15分ほどしかかかりません。一瞬でした本当に。車窓から見えるのは基本的には川ですが、川面に光が反射してとても綺麗なんです。


一方で川に到着するまでの間、つまり浜松町あたりはビルのかなり近くを走っています。もしもベランダに人が出ていたら目が合ってしまうんじゃないかというような距離です。モノレールの先頭の辺りに座っていると、ビルの間を縫って走っていくのでスリルがあって楽しいですよ。モノレールが好きと言いましたが、私は単に絶叫系が好きなだけかもしれません。そのぐらい現実離れした乗り物です、モノレールというのは。


羽田空港まで行くと特にすることがないので、ただ帰ってくるだけになりました。帰ってきて改札を出ようとしたら当然止められました。浜松町から入って浜松町から出たわけですから。駅員さんのほうに行って、すいません入ったところから出たいのですがと言ったら、パスモで入場時間を確認されました。短い間だったら特に何も言わずに無料で出してくれる駅員さんですが、多分モノレールで往復したぐらいの時間がかかっていたからでしょう。どこまで行ったんですかと訊かれました。私は慌ててしまい、えっと羽田空港まで行ってきましたモノレールに乗りたかっただけなんです、そのために来たんですと赤裸々に語ってしまいました。結構な熱量で。駅員さんははいと言って、普通に往復分を回収していきました。非常に高かったですし私のパスモは残高がなくなりました。財布も結構ギリギリでした。せっかくだったら一往復じゃなくて何往復もすればよかった。五往復ぐらいすれば良かった。どうせ一瞬なのですから。最後の方とかどうせ本を読むだけになるのですから。せっかくなら読み終わるまで乗り倒せばよかった。
皆さん、東京モノレールはお勧めです。吊り下げ式のモノレールも非常に良いですが比較的遅くなってしまいます。その点東京モノレールは速いですし、車窓からの景色も格別です。ただし乗る場合は何往復もするように気をつけましょう。
以上私の趣味の話でした。いかがですか?現実逃避できましたか?
いいですね、いい逃避具合です。その調子であと1日乗り切りましょう。

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