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予防接種の通知が来た今、思う事

昨日俺の手元に居住する街から、「新型コロナウイルスワクチン接種のご案内」という封書が届いた。

日本国内で感染者が出たのが2020年1月。そこから数えても、もうじき1年半になる。その後一気に広がったコロナ禍。これはなかなかキツかった。
社会全体で「自粛」と「行動変容」が求められるようになった。旅行や行楽、会食、酒宴など、遠慮するように求められ、飲食店や娯楽施設などは大変な苦境に立たされた。

ただ俺個人的にはそうした「自粛禍」よりも、感染そのものをいかに防ぐかの方がキツかったな。

俺は人工透析を受けている身である。日本透析医会・日本透析医学会・日本腎臓学会発表のデータによると、透析を受けている新型コロナウイルスの累積感染者は、6月3日16時の時点で全国で1860人、累積死亡者数は297人。死亡率は約15.97%だ。日本全体でみた時の新型コロナウイルス感染者の死亡率は約1.77%。透析患者の死亡率は9倍……。
人によって受け取り方は違うだろうが、俺はこの値、十分高いと思う。感染すれば大変危険だ。

自分の事だけではない。人工透析は病院の透析室に通って受けるわけ。当然そこには、俺と同様のリスクを抱えた透析患者がいる。俺の通っている病院では、全部で70人ほどが透析を受けているのだ。
自分がコロナウィルスを透析室に持ち込み、万が一その人たちにうつしてしまったら……大勢の方が命の危険に陥る事になる。

それだけは絶対に避けなければならない。

とはいえここ一年、ずっと家に籠りっきりだったかというと、それも無理だ。病院に通わなければならないし、日常の買い物もある。もちろん仕事も、在宅では出来ない分は出かけ手行わなければならない。
精神的にも耐えられない。
となると、感染予防を徹底しなければ。

マスクは布マスクを2枚重ね、その間に不織布フィルターを挟むという3重マスクにした。アルコール消毒液を常に持ち歩き、人の多いところに出かける時はうがい薬も持ち歩いた。水道を見つけるたびに石けんで手を洗った。1度の手洗いに2分以上かけて、入念に手を洗った。
親戚の葬式でどうしても東京に行かなければならなかった時は、帰宅してから2週間、透析を受けに行く以外は一歩も外に出ず、自主隔離を行った。
少しでも熱が上がったら、必ず発熱外来に罹り、検査をした。

なかなかのプレッシャーだったが、予防接種を打ったら、そのプレッシャーから少し解放されるなぁ。
もちろん、予防接種を打ったからといって、ウィルスを媒介してしまう可能性はあるわけだから、感染予防は続けるつもり。
でも、自分が死ぬ確率が下がる。周りの透析患者のワクチン接種もどんどん進んでいるようなので、自分が誰かを死に至らしめる可能性も減る。
これは大きい。プレッシャーはかなり減る。気分的に全く違う。

まだまだ油断はならないが、これで少し気持ちが楽になると思うと、とても嬉しい。

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