見出し画像

「就労者の異文化適応」セミナー受講記録④

今回も盛りだくさんの内容でした。
学ぶことが多すぎて、時間が足りません!

こちらの著者でもある鈴木有香先生による講義でした。
まず、ZOOMのマイクをONにしようというところから始まり、とても楽しくリラックスしつつも、学びの多い講義でした。
内容をまとめようと思ったのですが、今回は転載のようになってしまうので、出てきたキーワードについて、意味と自分なりの見解を書いていきたいと思います。
日本語教育能力検定試験という日本語教師になるための試験の勉強に出てきたと思うのですが、忘れていたものもありました。


1.文化の島

文化の島」とは?
文化には見える部分、見えない部分があって、さらにその下の根底部分はつながっていて、人間の普遍的な欲求や感情は文化が違っても、共通しているということです。
たまにこの根底も違ってしまう人がいると「宇宙人と話しているみたい」という感情になるのかなと思いました。
違いが生じた時、説明し合う、わかりあおうとする姿勢が大事なのですね。

2.カルチャーショック

カルチャーショックとは?

異文化に見たり触れたりした際、習慣・考え方・異文化の実像について、母国文化の常識と大幅に掛け離れていたり、自身が学校教育などで習得したその異文化に関する知識・情報と乖離しているため、心理的にショックを受けたり戸惑うことである。

引用:Wikipedia カルチャーショック

カルチャーショックというのは異文化に出会ったときの一瞬の衝撃のようにも感じますが、このショックがずっと続き、解消されるまで1年もかかる人もいます。
外国人が当たり前のように日本で生活しているように見えますが、カルチャーショックの真っただ中にいるかもしれないのです。

3. 心理的な適応過程(Uカーブ、Wカーブ) 

カルチャーショックで有名なのが「Uカーブ」「Wカーブ」と言われる心理的な適応過程を表した曲線です。
入国したときはUの左上のように、気持ちがアップしています。
でも、しばらくすると、Uの下の部分のように落ち込んでいきます。
この時がカルチャーショックを受けている状態です。
そこから立ち直れると、Uの右上の部分のように上がっていきます。

Wカーブはカルチャーショックから立ち直ったあと、自国に帰国し、「逆カルチャーショック」を受けて落ち込むことを表しています。

カルチャーショックの真っただ中にいて、気分が落ち込んだり、やる気が出なかったりするとき、「今、自分はカルチャーショックを受けていて落ち込んでいるんだ。いつかここから抜け出せる」と自覚できることが結構重要だと思います。
私も1年三か月の間の韓国生活で、無性に日本が恋しくて涙が出たときはまさに自分はカルチャーショックを受けていると思っていました。
私の場合は、たまたま姉や友達の結婚式で一時帰国する機会があり、そこで元気になれたように思います。

4.異文化の移行体験の諸相 

心理学者アドラーによると、1~5段階まであるそうです。

簡単に言うと
1.楽しい!面白い!好奇心!
2.なにこれ。なんでこうなの。もうやだ。
3.ありえない。信じられない。むかつく。やめろ。
4.なるほど、そう来たか。うんうん、知っているよ。
5.ほうほう、ふーん、君はそうなのね、私はこうする!

ちょっと、4と5のところが自信ないのですが、自律→独立の段階だそうです。
私が韓国にいる間、2・3の状態の日本人女子がけっこういました。
いつも文句ばかり、じゃあ帰国すれば?!と何度思ったことか。
でも、カルチャーショックを受けていたのですね。
日本に来る留学生も、日本の悪口を言うことがたまにありました。
私が教師で日本人だから多分たいていは言わないのでしょうけど、学生のタイプによってはなんで日本人はこうなんだ!こうされた!など怒ってくることがたまにありました。
それは勘違いや誤解じゃないか、そんなことないよ、なんて励ますしかできなかったんですが・・・。
何かもう少し具体的にアドバイスや支援ができたらよかったですね。

5.対処法

カルチャーショックが起きそうなときに受け入れ側ができること
・マナーや常識について理由を含めて説明できるようにしておくこと
・相手が「できていないこと」に注目するのではなく「できていること」を認める肯定的フィードバックをすること
・失敗をストレスに感じるのではなく、笑いを起こす「ネタ」と捉えてみること
 もう少し真面目に言うと「また一つ新しいことを学んだね」と肯定的に伝えること
・母国語で話せる仲間を見つけること。
・文化の先輩を紹介すること。(先に日本に来て、生活している人)
・リラックスできることをリストアップすること

カルチャーショックを回避するというのは、反抗期がない子供のようですね。
カルチャーショックはあるものとして、どう対処するかが重要かなと思いました。

6.解決方法(外国人にわかりやすい日本語コミュニケーション)

円滑なコミュニケーションをするために受け入れ側ができること
・やさしい日本語を使う
・低文脈の日本語コミュニケーションを意識する(はっきりした言葉でしっかり伝える)
・DESO方法を行う
・肯定的フィードバックをする(ほめる)

このうち、DESO方法については、鈴木先生の著書に書かれているようなので、省略します。
誤解から生じる軋轢は生みたくないですよね。
相手が外国人の場合は特に自分が話す日本語に気を配って、「伝わる日本語」を意識したほうがいいです。

7.まとめ

・外国に行くと誰でもカルチャーショックが起こる。
・そのタイミング、問題の大きさは人によって違う
・解決方法も人によって違う
・受け入れ側がカルチャーショックが起きているのかな?など気を配ることが重要
・さらに適切に対処したり、問題がこじれたりおおきくなったりしないようなコミュニケーション上の配慮が必要
・あまりに深刻な状況の場合、適切な医療機関へつなぐ。

8.感想

・カルチャーショックが起きている間、自分は(語弊がありますが)敵側の人間なので、味方であることを分かってもらうことも重要かなと思いました。
・そして、その方法は難しいですね。
・最後に肯定的フィードバックを実践しようということで、グループの方とほめあいをしたのですが、めちゃくちゃ恥ずかしかったです。でも、みんなずっと笑顔で、楽しい時間でした。私もいつかチャンスがあればやってみようと思いました。

あとがき

今回の内容が濃すぎたので、noteにまとめるのがめちゃくちゃ大変でした。
先生によって講義のすすめかたが全然違うし、流れる時間も違います。
授業に先生が個性を出していくのは楽しいことだなと思いました。

日本語を教えたり、外国人をサポートしたりする方々にお役に立てる記事を書いてまいります! よろしければサポートお願いいたします! 励みになります!