第16回TOHOシネマズ学生映画祭受賞者インタビュー【SF部門】

こんばんは!TOHOシネマズ学生祭実行委員です。
「第16回TOHOシネマズ学生映画祭SF部門 準グランプリ」を受賞された栗原章さんへインタビューしてきました!


SF部門 準グランプリを受賞した栗原さん


____受賞の感想を教えてください。
栗原「発表の瞬間は、一緒にきたスタッフやキャストとみんなで驚いていた。緊張というか、すごく震えていた。あまり実感がなかった」

___応募されたきっかけを教えてください。
栗原「三年生、一本自由に作品を作るという実習があって、授業内で、映画祭に出してみようという流れがありました。
色々学生映画祭を調べて、知名度がある本映画祭に応募しました。
卒業制作でも一本映像制作を作るため、その予習としてとりました」

____工夫したを教えてください。
栗原「短編だと難しい。無駄なく満足感のある作品になるように、シナリオを何度も修正したり、撮影する前段階にとても時間をかけました。(授業の課題として)15分以内という規定があったことで、間やテンポ感が縮まって、中弛みや無駄が削れたりして笑わせるための要素として働きました」

____時間制限が課題15分と映画祭20分で変わった点はありますか?
栗原「大きく変わった点はありませんでしたが、縮めたものの欲しい要素を引き伸ばしたりできました。大筋の内容は変わっていないです。担当教員から「ばれたあとを描かないとダメじゃない」というアドバイスをもらって、エンドロールのアイデアが浮かびました。いろんな人に助けられた作品です」

____他の作品についてはどうですか?
栗原「アニメーションの作品が心に残っています。クオリティの高さにとても驚きました。SFだけでなく、アニメーションやプロモーションなど様々な作品に触れられたことがとてもよかったです」

____苦労した点はどこですか?
栗原「スケジュール面です。居酒屋のラストシーンで、時間が限られている中で途中削られるシーンもありながらもなんとか撮り終えました。
カシオレがなくなってしまい作り直した際に(シェイカーで振っている時?)、主人公の人の衣装に溢れてしまいラストシーンをよく見ると、赤いシミがあるかもしれない。他のシーンはうまく上着などで隠していた。終盤だったのでなんとかなりました。
居酒屋の厨房のシーンで、銀色の冷蔵庫が反射して撮りにくかったです。消せるところは編集で消しましたが、よく見るとマイクが写っているカットがありました」

__映画祭を経て変化したことはありますか?
栗原「コカコーラ製品一年分の引き換えチケットを複勝でもらったので、周りからよく物乞いされるようになりました。一年分と言いつつ期限は半年くらいまでしかないので、自分自身も使いきれない…。今年の上旬くらいに作品を撮った際は、キャストやスタッフの差し入れとして賄えてよかったです。
自分自身は使いきれたが、友人にあげた分は使いきれなかったらしいです」

__審査員と話していかがでしたか?
栗原「映画を仕事にしていく上でのお話を聞けてよかったです。的確な意見ももらえて、その後の作品にも生かされる意見をもらえました。
→作品の中で個性を出していくべきというお話が印象に残っています。前回の作品は、メッセージ性やテーマがないと言えばない作品であったためです」

__印象に残ったことを教えてください。
栗原「学校内での課題として作成したため、ロケーションやキャストに困ることはなかったです。主要キャストは男女四人で、演技を専攻しているコースの人たちを採用しました。他の作品に出演していたりすることもあり、どのような演技をするのかわかった状態で起用することができた。実際ハマり役だったと思っている。店長役は、スタッフのお父さん。3カットくらいしかなく、時間もなかったため、お父さんに出演してもらった。でも好評だったのでよかったです」


__キャストについて教えてください。
栗原「この作品を撮る前に別の自主映画をとっていた際に出演していた子が今回も出演しており、どのような演技をしているかを見て確認することができました。オサム役の人は、日常生活でも役のまんまだったので、当てがきに近い感じで脚本を書いていました」

__将来について教えてください。
栗原「来年から社会人になる。映像会社の技術系の仕事につく予定です。自分自身の作品を作りたいという気持ちもあるため、仕事として映像作品に関わりつつ、休日に趣味でMVや短編などで映像を作っていけたらと考えています。ここ三年間制作意欲がずっとあり続けている状態なため、社会人になっても作品を作っていきたいという気持ちは消えないのではないかと思っています」

__今年の応募者への応援メッセージをお願いします。
栗原「ほんとに自分でも、自分みたいな感じの作品でも受賞するチャンスがあるので、諦めずに作って欲しい。自分の作品なので、自分自身が作品に対して一番愛着を持っていれば良い作品になるのではないかと思います。頑張ってください」

__卒業制作について教えてください。
栗原「卒業制作は何かしらの映画祭には出そうと考えています」

__影響を受けた作品などはありますか。
栗原「バックトゥザフューチャー。自分でも意識していなかったけれど、最後の居酒屋の場面で、カウンターに先にオサムがいて後からカエデが座ってきて二人が驚き合うシーンは、バックトゥザフューチャーでカフェのカウンターに座っていたら隣がお父さんで驚くシーンから影響を受けていたのだと思う。内容やシーンに関しては全然違うが、カウンターで隣で驚く、というシーンはバックトゥザフューチャーから影響を受けています。
普段はたくさん映画を見る方ではないが、気に入った作品を繰り返し見ることが多い。それこそバックトゥザフューチャーは映像を絵コンテに書き写していた。活かせはしなかったが、コメディだとカメラワーク自体が動いたり、フィックスで基本的な固定のカットだけだと映像の視点から見ても飽きちゃうと思うので、動くカメラワークは(今思うとできていなかったが)意識していたと思う。コウダイ役が店長が戻ってきたか確認して厨房に戻り、厨房にオサムがいなかったのでタバコを吸いにいくシーンは、結構カメラワークが動くシーンだったが、店の空間が観客にも把握できるように撮れたと思います」

__映像を撮り始めたきっかけはなんですか?
栗原「元々ものづくりが好きで、紙芝居を書いたり、小中高では劇をやったり、文化祭でも積極的に自分で何かものを作りたいと思うタイプでした。高校の時に大学で映画を学べる学科があることを知って入りたいと思うようになりました。1年時はコロナ期間であまり撮れなかったが、2年生になってから軽い気持ちで友達と映像を撮り始めてから本格的にハマりました」

__どのくらいの期間で完成しましたか?
栗原「四ヶ月くらいです。8月あたりにシナリオやキャスト、ロケーションなどを決めて、9月に撮影をして、10月〜11月あたりに編集をしてという流れ。編集は色味や音など、手伝ってくれる人たちがいたのでそんなに時間はかからなかったです」

__ どのようにしてテーマが思いつきましたか?
栗原「「観客と作り手の秘密の共有」というテーマで講義をしている大学の授業があり、観客と作り手はキャラクターの人間関係を知っているが、出演しているキャラクターはそのキャラクターの本当の人間関係を知らない、ということが面白いと思って自分の作品に取り入れようと思いました。また、自身が飲食店で働いており、何年たってもシフトが被らず名前がわからない人がいることや、朝シフト夜シフトでちょっとしたいがみ合いがあったりすることを、作品に取り入れたら面白いのではないかと思って思いつきました」

__スタッフの人数を教えてください。
栗原「自身は監督と脚本と編集。カメラマン(1人)、録音(1日1〜2人くらい)、撮影助手(1日1人)、助監督、あともう二人くらいで撮影していて、日毎に若干スタッフは変わっていたが、一日7人くらいで撮影していた。全員で大体15人くらいで撮影していたと思います」

__宣伝をお願いします!
栗原「「おとなりさんメモ」の続編を作りました。今年の上半期に撮影したんですが70分尺の長編で、Vimeoというサイトで一般の人も見られる作品になっています。おとなりさんメモを見て興味を持った人がいれば、ぜひ見てください!」

「大きな独り言」vimeo↓
https://vimeo.com/888144969

「大きな独り言」予告編

__インタビューをした実行委員の感想

・米田
栗原さんのインタビューをしていて、周り助言や協力することの大切さを知っている人だと感じた。担当教授のアドバイスで、エンドロールにバレたあとのシーンを入れたり、知り合いのお父さんに演者を受けてもらって、「はまり役だ」言われるなど、周りとの協力で作品が作れたことが伺えた。

・田島
コカコーラ製品1年分の副賞のお話が面白かったですね(笑)。確かに、周りからは飲料品無料配布お兄さんと思われてしまいそうです。ずっと創作意欲があり、大学卒業後も作り続けていきたい、という力強いお言葉が非常に印象的でした。『おとなりさんメモ』の続編もVimeoで観られるとのことですので、ぜひ観させていただきたいです。今回は、インタビューにご協力頂き、ありがとうございました。

__________________________________
<第17回TOHOシネマズ学生祭の開催について>
 開催日:2024年3月28日(木) 
                  14:00開始 20:00頃 終了予定
 開催場所:TOHOシネマズ日比谷 スクリーン12(東京宝塚ビル地下)
 皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

<コンペティションへの応募について>
 応募締切:2024年2月5日(月)23:59
 詳細は、以下リンクよりご確認ください。
 TOHOシネマズ学生映画祭|tcsff (tohotheater.jp)
__________________________________





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?