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年末年始「お餅」の役割とは 〜暮らしをととのえるお寺のおはなし〜

人参をお日様に見立て、まん丸に切ったり、柚子の松葉切りを乗せれば、難しい飾り切りでなくても特別な一皿に。


日本のお正月に欠かせないお餅。東長寺では毎年12月28日にお餅つきを行い、山内にお供えする鏡餅と新年にお配りする紅白餅を用意しています。

本堂・水の苑を背後に控えた山門の下、住職による槻初(つきぞめ)で始まるお餅つき。かつてはすべてのお餅を僧侶や職員、檀信徒の皆さんの手でついていましたが、お配りするお餅の衛生面を考慮して、現在は餅つき機も併用しています。

日本には古くから、お米の収穫を祝い恵みを尊ぶ文化がありました。そんなお米を凝縮させるように作られるお酒やお餅は、祭事やハレの日の捧げ物として重要な役割を担ってきました。

なかでもお餅は餅米を臼と杵を使ってつきあげながら出来上がることから命や魂の象徴とされ、神仏へのお供えを経てからヒトが食することで、霊験あらたかな力もいただくことができると考えられてきたものです。東長寺でも本堂をはじめ、全てのお堂にお供えします。

鏡餅と同時につくるのが、紅白餅。除夜の鐘が響き、新年を迎えた直後に執り行う年始法要で無病息災の御祈祷をしたのちに、初詣された方へお配りしています。数にかぎりがありますが、もしもお受け取りなさったらお餅に込められた願いや想いを感じながらお雑煮にされてはいかがでしょうか。

いつもは戸棚に大事にしまってあるような、ちょっと良い器を用意して、お盆やお箸置きもきちんと並べて背筋を伸ばし、いただきましょう。
新年の改まったひとときを、お餅を通じてご家庭とお寺で共にできたらと願っております。

『萬亀』No.140(2022年12月号)より


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by PRTIMES


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