マスクは役に立たないのか??


 「マスクの素材に比べてウィルスは極小のため、すり抜けてしまう」なのでマスクはウィルス対策として役に立たない。

 こちらについては次のような説明があります。
 WHO・医療関係などから説明されている呼気モデルでは、マスクを透過してウィルスが長距離(2m程度~それ以上)拡散する図が説明として揚げられています。

 これについてマスクメーカーなどから次のような反論があります。使い捨てマスクに使用される不織布はウィルスを静電吸着することが認められており、隙間があるからと言ってウィルスが簡単に通り抜けられる訳ではないというものです。(実験結果なども有効と掲げられています)


 しかしながら、両者に欠落しているのは吸気モデルです。
 (そのため記事執筆時点で解説提唱しているのも私だけです)

 考えて見れば分かりますが、これだけ大きな違いがあります。

 ・呼気モデルは、ウィルスが拡散するというだけで、それが他者に取り込まれる所まで説明していない。
 ・(ご説明する)空気圧力、空気抵抗、流圧を考えた場合、口と鼻を終点とせず拡散する呼気モデルよりも、かならず口と鼻に向かって移動する吸気モデルの方が、直接的で取り込む力も圧倒的に強い。
 ・呼気モデルではウィルスがマスクを透過できるか疑問がある(相当に強く噴射しない限り無理がある)のに比べ、吸気モデルでは口・鼻周辺(特に立っている姿勢で下方、胸元辺り)のウィルスを強い力で吸い込むため透過してくる可能性が高い。

 呼気モデルではマスクはかなりの空気抵抗を作るため、防護の機能は高いと思われます。

 しかしより切実にマスクが有用かどうか問われるのは吸気モデルの時となります。この説明が医療関係機関よりほとんどありません(目的とした説明は全くないと言っていいと思います)。

 これを三つの図で説明してみました。
 どうぞご覧になって下さい。
 ポイントは水中で水に取り囲まれるように、私たちは空気の密集する中にいるということです。

画像1

画像2

画像3

 WHO、医療関係のマスクの説明はこの重要なポイントが欠落しています。
 ウィルスが取り込まれるもっとも重要な過程を考えずに(飛沫を除いて)マスクが役に立つとか役に立たないという話をしているのです。

 結果としてはマスクは防護に役立つと思われます。
 ただ、ポイントは不織布自体の静電吸着効果もありますが、空気流圧を減じて侵入を防ぐことができる所にあると思われます。

 ですので、マスクを二重にかけるとか肉厚(あるいは多層構造)のマスクをかけると効果が高いと思われます。途中で流速と圧(液体の場合は浸透圧という言葉があります)が減少するからです。

 以上です。
 ありがとうございました。

サポート頂けると嬉しいです。