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🎧9月、いい女探しで狼狽える

いい女といえば、誰を連想しますか。

頭がキレて、スタイルが良く、会話がウィットに富んでおり、もちろん運動神経が良くて、バイクのみならず時にセスナも運転、お金持ちが大好きで、太ももあたりに小型の銃を仕込んでいる。

…後半偏ってきているのは、脳内が峰不二子に占領されたからです。

もしも、私が峰不二子を演じるならば。
まず形から入ろう。
ピタッとしたライダースーツを着込んで、ファスナーを胸の中ほどまで下げる。

ええと。ライダースーツねぇな。
ファスナーついてる服、ユニクロのパーカーしかないけど、これでいいかな。
うん。いい女ってゆうか、寝起きにコンビニに向かう人だね。
コンビニ強盗に遭遇しても、私の太もものポケットには、残高不足のPayPayぐらいしか仕込まれてないし、なんならチャージしてほしいということだけ、胸のファスナー下げつつ言ったら、ギリ峰不二子かもしれない。
そんなわけあるか。

さて。
ちょっといい女風に演じるミッションだ。
ファスナーにこだわっている場合ではない。
そもそも、いい女が胸のファスナーを開けがち、という発想に偏りがある。

いや、それ以前に、このミッションは誰の目にも触れることがないのだ。
私は、いつも通り、お風呂上がりのヨレたTシャツに、薄い眉毛でスタンバイした。
そして、心の中に、峰不二子、および、小池栄子を召喚する。

(余談ですが、小池栄子さんって素敵な女性ですよね。綺麗だし、スタイルいいし、滑舌もいいし、努力家だろうなといつも思っている)




「あ、なんだかうまく繋がらないですね?」
「どうしましょうか?」
「zoomで一旦繋げますね」
「わかりました!」

zoomで一瞬、外とつながる。
映像をつなげたのは4人の中で私だけだった。
そりゃそうだ、音声配信って言っとろーが。

いぬいさんが「初めましてー!」と私に合わせて、映像を繋いでくれた。
「すいませんね、こんな格好で」とTシャツ姿のいぬいさんがおっしゃったが、とても紳士な雰囲気の素敵な方だった。
それより私だ。
たった今、峰不二子と、小池栄子を召喚したつもりだったから、見慣れた自分の姿のはずなのに狼狽えた。

「小池栄子どこ行った!?」
※最初からいない



そんなわけで!
召喚こそ出来ませんでしたが。

今回のすまいるスパイスは、『9月』スペシャル朗読です!


ピリカさん、こーたさんと共に朗読したのがこちら!
穂音さん『ジョンとヨーコのI  love you』

もうね。仕掛けがすごいです。
そして、重要なキーは歌に隠されています。
最初にピリカ文庫でこの作品が上がってきた時、正直ざわつきました。
う、歌が多い…!!
しかも、歌だけではない、全体的に全てがかっこいい。
切れ味が良く、間延びするような朗読は、雰囲気を台無しにしてしまいそうだった。
そもそも、ヨーコという時点で、ワールドワイドに格好いい女代表じゃないか。

どどど、どうするんですかこれピリカさん…!

という動揺は、ピリカさんが吸収してくれた。
「大丈夫!負担だったら言ってね!」
こーたさんは、朗読後こそ「狼狽えました」と言っていたが、始まるまでは「ここは僕がやりますから、ここをお願いします」と冷静に判断していた。

おいみんな!ここに最高のバディがいるぜ!
そんな気持ちになった。
安心した。

そこには「これでいっか」という妥協はなく、いただいた作品を、私たちにできる範囲で最高のものにしよう!という気概しか感じなかった。

「こーたさん、全部歌ってくんないかなー」なんて思っていた私、いやほんと、反省です。
そして、「私歌うよ!」と動揺した私に、瞬時に引き受けてくれたピリカさん、ありがとうございます!

そして、歌にばかり集中していてはいけません。
仕掛けが散りばめられ、2度3度と読むほどに、理解が深まるほどに、ワクワクとするこの作品には、オフコースの裏話や、9月の重要性まで隠されています。(いぬいさん解説)
フェルメールを購入するおばさんから既に、スパイたちの暗躍、ぜひ読んでみてください!


そしてそして、スペシャル。
いぬいゆうたさんによる朗読は
ぼんやりRADIOさん『辻占長屋』です。

ジョンとヨーコで、「全力で2行のナツオをやります!」
と笑っていたいぬいさん。
笑い事じゃない、たった2行でも圧巻だったんですよ、あの2行で「嫌な男ナツオ」が全部伝わる力量の持ち主です。

↑沢山の朗読聴けます。


「あれ?なんか急にNHKに繋がった?」

最初のタイトルを読むところから、急に雰囲気を全部持っていってます。
「おお…!!!」って言いたいのを堪える。

声を出しちゃいけない昨今のライブってこんな感じなの?
とにかく、「うおおお…!」と思いつつ声を殺して聞き入りました。

『辻占長屋』は、たくさんの落語のオマージュが散りばめられているそうです。
落語を聞かないからわからなかったのですが。
そんなことは関係ありません。面白いお話はDNAが反応します。
時代もの!と一瞬躊躇してしまった読む前の私、そこに座れと。

テンポのよさ、小気味よい会話の流れ、脳裏に浮かぶ江戸の風景。
そして、最後のオチ!
「聞き間違いがオチなのかな?」と終盤に向けて思っていたのに、最後のたった1行で
「ああ!なんたる大事だいじ!」と破顔!
そうなると、先に読んだ文も伏線と思えて、すごく愉快。

これらの世界観が、いぬいさんの朗読によって、日本放送協会を通した作品になってました。いや、もう本当に。
すまスパって受信料発生しましたっけ?


とにもかくにも、興奮した時間でした。
気づけば9月も終盤、秋もようやく深まろうとしています。
noteでちょっぴり秋の夜長をお供できれば嬉しいです。

ちなみに、月の写真は、9月中秋の名月の日の写真。大きい!キレイに撮れた!と鼻息荒くしてたのに、出しどころを忘れて月日が経っていた。1ヶ月ハヤイヨー。





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