🎧隣の母さん何する人ぞ

「あー、あー、あー。
　あいうえお、あ　あ　あ。
　あえいうえおあお！かけきくけこかこ！」

久しぶりの朗読は、罹患後もあってか、声に力が入らない。
幸い、女性の声は「か細い」や「細くてかすか」という描写がある。

もし、もしもだ。
この女性が「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン！！」
とか言い出す某大魔王的キャラクターだったら、大変ヤバかった。

ひと月ぶりのピリカ文庫。

高藤菜萌さんの『ふわり夕闇』を読ませていただいた。
線の細そうな、美しい女性が、夏の遊暮れ、ほんの一瞬の涼やかさを持って現れる。

「させしすせそさそ！」

夕暮れの情景を頭に浮かべながら。
よし…あとは本番を迎えるだけだ…

「お父さんはあっち行ってよ！！」
「なんだよ、何もしてないじゃん」
「キィーーーーー！！」

い、いかん…！！酔っ払った夫と娘のじゃれあい喧嘩が始まっとるやいかい！！

こーたさんが朗読されている『水曜日の僕』を聴きながら、私は気がきじゃなかった。
ちょ、待て。頼むから静かに遊んでいてくれ。

そっとイヤホンマイクを両手で包み込んで、雑音が入らぬようカバーしながら、固唾を飲む。

自ら望んで囲われる「僕」と囲う女性の危うい関係。
艶やかさと無機質な部屋との落差が、どこか切ない。

そして、私の朗読の番だ。
正座をして、心を落ち着ける。
美しい情景、風、金魚…

「お父さんのバカーーーーーーーーー！！！」

ヒィぃぃぃぃぃぃぃ…！！

そんなわけで。
最初から言い訳をたくさん書いてしまいましたが。
朗読中、家の騒音に集中力を切らし、今回、こーたさんにスーパー編集していただきました。

どこかお分かりになるだろうか？
いや、分からない、分からないだろう？
ありがとう、こーたさん…！

朗読～金魚 by すまいるスパイス

ひと月ぶりの朗読は、とても緊張したけれど、やっぱり楽しい。
高遠さん、読ませて頂き、本当にありがとうございました。

そして、久しぶりにピリカさんとこーたさんとのおしゃべりも楽しかった。

この楽しさは、どうやら私の体から滲み出ているらしい。
そりゃそうだ、リビングで突然発声練習が始まる母だもの。
「ちょっとごめん、静かにしておくれぇ〜」と言ったら、割とすんなり聞いてくれた。
「お母さんが何やら楽しそう」
もう、これ以上の説明はいらない。

そう、家族の誰も、私が娘の部屋でコソコソ何をしているか知らない。

そして今日も突然発声練習が始まる。
「あめんぼ赤いなあいうえお！」

次は、あなたの小説を読むのかもしれない。
いいえ、読ませてください。
……！！
そ、そんなこと言わずに、そこをなんとか…！！

そして、ピリカさん、こーたさん、長崎にて初めてリアルに会うの巻！
こ、これ絶対初めて会う感じじゃない、流石100回ぐらいおしゃべりしてるだけのことはある！と、なぜか私、爆笑しておりました。
ナチュラルすぎるやろ！な、お2人🤣