海を越えられるのか
毎週火曜日にある場所である出来事が起きる。下僕が垣間見る天井人の様子と下僕たちの冒険の日々を綴っていきたいと思うのです。
※貴重なお時間をいただく割に、これといって役に立つお話ができるかいささか不安ではあります。もしお時間があるようでしたらお読みくださるとわたしは嬉しいです☺︎
それでは始めますね
門出
再出発といってもいい。既に仲間は揃っている。性別は偏らずおそらく個々に特殊な能力が備わっているのだろう。だろう?そう、まだそれぞれがお互いにわからない。探る必要もないほどそれぞれが、それぞれに確立してそうだから。いずれ解ればそれでいい。まず最初に挑むべきは海の向こうを目指すかどうかだ。
金髪と巻毛
今回の主役はこの二人。道化を目指す金髪と滑り板の達人な巻毛。百戦錬磨の燻銀である天井人たちの中で二人はかなり滑稽だ。その面前で海を渡る想いを演説した。もちろん拍手など起こらない。沈黙の後の罵声の覚悟を決めて息を呑む。天井人の一人が口を開いた。
調べが浅い
「海を舐めるなよ。お前らの策は練り込みが足らんのじゃ。」門出にしては厳しい言葉だった。我々も反省はしている。浅さへの自覚もある。ただこの度は神速を最優先としたのだ。さらに他の天井人が続く。「安易こそ疑わし。」確かに条件は整いすぎている。だからこそ即やるべきと判断をして演説に至った。
座礁か
漕ぎ出してもいないのに空気が怪しくなった。天井人からは苦言がふたつ続いた。海に出る前に陸座礁をしかけた矢先。静かに目を瞑っていた天井人の長老が口を開いた。「わしはこれに可能性を感じるんじゃ」と重く一言を置いた。そして「ここに居る天井人のみなよ、思い出せ。危機に面した時。万全で安全な道を選んで乗り越えてきたのか?逆ではなかったか?危険を顧みずまずは体を動かして同時に頭を使ってこなかったか?」形勢が一気に変わった。
海へ
とにかく進め。と期待をかけられる形でその会合は終わった。長老とその御子息の天井人を除きほぼが穿った眼差しの中で我々は海を越える準備を整えることとなった。でも金髪と巻毛は胸を撫で下ろした。
下僕の快進撃
これからだ。我々は異端児の集まり。それがなんだと言うのか。金髪は道化を纏う能力に長けている。まやかしながら周囲を異空間へ誘(いざな)う。巻毛はしたたかに密やかに人を支配する力を持つ。支配された側はそれに気づかない。この二人が長老を味方につけたのだ。今日の成果としてはこれ以上ない。まずは一歩進んだのだ。
つづく
ここまでお読みくださって
ありがとうございます
ゆうなって
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