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ガンダム精神世界探索(12)修正」される大人 なぜカミーユはクワトロ大尉を殴ったのか

 アムロ・シャアをはじめとする主要キャラクターの行動からその心理を読み解き、ガンダム・ワールドの神髄に迫ります。 (2000年から2006年にかけて、本サイト「MUDDY WALKERS」で連載していたものを再掲)

クワトロの心の琴線に触れた「怒れる少年」

 Zガンダムを語る上で、何としてもはずせないのが「修正」シーンであろう。軍隊”らしさ”の演出のためか、Zガンダムでは、しばしばルール違反を犯した者を「修正」と称して殴る場面が登場した。なかでも有名なのが、カミーユ・ビダンの「修正」である。

カミーユ:「もしそうなら、それは卑怯ですよ。シャア・アズナブル、名乗った方がすっきりします。どっちなんです。教えてください」
ハヤト:「お認めになってもいいのではありませんか?」
クワトロ:「今の私はクワトロ・バジーナ大尉だ。それ以上でもそれ以下でもない」
カミーユ:「歯、くいしばれ。そんな大人、修正してやる!」
---機動戦士Zガンダム第13話より

 このあと、殴られて吹っ飛ばされたクワトロは、「これが若さか」とつぶやきつつ涙を流すのであるが、それにしても、この「修正」は唐突であり、少々異様ですらある。なぜ急に、カミーユはクワトロ大尉を殴るという衝動に駆られたのか。何がカミーユを「キレ」させたのか。そして「そんな大人」とは、一体どんな大人なのか。
 今回は、ここまでに至るシーンから、クワトロ大尉とカミーユ・ビダンそれぞれの心理を探ってみることとしよう。 

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4,500字
アムロ・シャアをはじめとする「機動戦士ガンダム」の主要キャラクターの行動からその心理を読み解き、ガンダム・ワールドの神髄に迫ります。 Vol.2では、Zガンダムの主人公、カミーユ・ビダンと彼を取り巻く少年少女の心理を掘り下げています。付録として、「Zガンダム再構築」を掲載。

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