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ゲームチェンジャ-森下翔太【4/3 対ベイスターズ戦○】

良いか良くないかと言ったら、あまり良くない。
開幕3戦目まで得点がなかったことからも分かるように、打線の状態はあまり良くない。
だからこそ、試合の雰囲気を一振りで変えてくれた森下翔太が、より一層輝いて見えた。

「このボールを狙う」と決めたら、それを貫ける。そして狙っているボールが来たら確実に仕留める。森下の思い切りの良さと打撃技術の高さが、僕たちに希望をもたらしてくれる。

「打ったあああああああ!」

テレビ実況の叫びが聞こえづらくなるくらい、京セラドーム大阪に歓声がこだました。驚きと喜びが入り交じる中で、ひとり森下だけが冷静を保てているように感じた。森下がバットを優しく置いてゆっくり歩き出す。そして打球が5階席のスタンドに入ったのを見届けて、一塁側ベンチを静かに指さした。

森下が今季放ったホームランは、2本ともチームに重苦しい雰囲気が漂っている中で飛び出した。なんだか森下から「簡単に諦めないでよ」と言われているような気がする。
昨年の7月に飛び出したプロ1号は、その試合の決勝点になった。2号は2点ビハインドでベイスターズのT.バウアーから同点2ランを放った。森下がホームランを打てば、試合の主導権は一気に変わる。だから僕たちは、この男のホームランに歓喜する。

今日の1発はよほど手応えがあったのだろう。軽やかに駆けだしたときの森下の表情は落ち着いているように見えた。1塁、2塁、3塁。ゆっくりとベースを回って、本塁には筒井壮コーチが待っている。ハイタッチを交わすその瞬間、ようやく森下の笑顔がはじけた。

そういう顔もできるから、もっと好きになっちゃうんだよなあ。

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