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バッテリーで勝つ【4/30 対カープ戦○】

昨年同様、タイガースの投手陣は盤石そうだ。投手によっては昨シーズンからの疲労があるかもしれないし、他球団からのマークも厳しくなっているはず。そんな中で高いパフォーマンスを発揮するのは容易ではないはずだ。
好調な投手陣の裏には、キャッチャー陣の頑張りもあるのだろう。

梅野隆太郎のコンディション回復が開幕までに間に合ったこともあって、今のタイガースは梅野と坂本誠志郎がだいたい半分ずつ出番を分け合っている。ゴールデングラブ賞を受賞した選手同士が共闘しているチームはタイガースだけだ。

もともと打撃を売りにしている選手じゃないとはいえ、坂本があまり打てていないことが気がかりだった。ピッチャーを勝利に導けたとしても、打撃で貢献できていないからか、打席の前後で少し浮かない表情をしているようにに見えるのが気になった。

先発の村上頌樹が先頭打者ホームランを浴びるも、その1点のみで抑えた。直後の攻撃、2アウト2塁のチャンスで坂本に打席に回ってくる。若干外寄りに入ってきたボールが、センターとライトが守る真ん中当たりに落ちた。その間に走者がホームを踏み、同点に追いつく。しぶとく打てる、坂本らしい打球だった。

4回には0アウト満塁の大チャンスで坂本。打球はセカンド前のボテボテのゴロでダブルプレーとなった。だが、それでいい。坂本が併殺を取られる間に、3塁走者がホームインしてタイガースがリードを奪った。まずは勝ち越して村上を楽にさせたい場面。そんな状況で内野ゴロが打てた。

6回も1アウト1,3塁で坂本に回ってきた。ライトのライン際へのフライ。野手がフライをキャッチして、その間に再び3塁走者がホームインした。これもまた、アウトコースのボールをしっかり呼び込んで打った結果だ。何だか、打席で坂本らしさが戻ってきたような気がした。

さらに7回には三遊間を破るタイムリーヒットで1点を追加。坂本らの援護を受けた村上は、初回のピンチが嘘のようにすいすいとカープ打線を打ち取っていく。結局9回まで投げきって今季初の完投勝利を挙げた。

ビジターなので当然ヒーローは完投した村上だ。
「ビジターなので1人ですけど、ホームだったら一緒にヒーローだったので……」
そう言ってもらえるだけで、気持ちはじゅうぶん伝わった。

好守備と好リードでピッチャーを引っ張っていく坂本は頼もしく見える。これはもうタイガースファンなら異論はないだろう。だがこの日みたいに自分で打点を挙げてピッチャーを楽にさせる坂本も、同じくかっこよく見える。キャッチャーは自分の打撃で投手を助けることもできる。

坂本が打てなくても、チームは順調に貯金を積み重ねた。それはタイガースのチーム力の高さを表しているのかもしれない。でも、きっともっとやれる。坂本が打ってアシストすれば、投手陣はさらに勢いに乗っていける。
5月はそんな試合がもっと見られたらいいな。

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