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佐藤輝明の音を聴け音を【4/6 対スワローズ戦○】

甲子園球場は広くて大きいし、ホームランをガンガン打って勝つチームじゃないことは分かっている。けれどもホームランが飛び出して勝つのは嬉しい。それが佐藤輝明のホームランなら、なおさら嬉しい。昨日は延長10回、今日は7回に佐藤輝が勝ち越しのホームランを打った。

その前の守りでショートの小幡竜平が好守備で先頭打者をアウトにした。直後の攻撃で先頭の前川右京がフルカウントからヒットで出塁した。傾きつつあった試合の主導権は、佐藤輝の一発でタイガースのものになった。

あれだけ豪快なホームランを何本も打っている佐藤輝だけど、いわゆる「確信歩き」はあまりやらない。どう考えても入るでしょ、という打球でも次の塁に向けて走り出している。自分の中での良い感触の基準が厳しいのかもしれない。
でも今日もその前の日も、佐藤輝は打球の方向を見ながら大飛球の余韻を味わっていた。2日連続確信歩き。スラッガーにだけ許された特権。タイガースファンとしてそれを味わえる幸せ。

YouTubeチャンネル「虎バンチャンネル」で佐藤輝明の特集を見た。シアトルにあるトレーニング・分析施設であるドライブラインを訪ねた様子を密着した内容だ。あちこちに計測機器を付けて体の動きを分析する。分析したデータをもとに体の動かし方をアップデートしていく。最近のプロ野球ではおなじみの光景だ。
計測の結果、佐藤輝の場合は下半身のパワーが打球にうまく伝わっていなかったことが分かった。
……いや、今まで手打ち気味であんなに飛ばしていたんかい。

ドラフト会議のとき、当時の佐藤輝は素材型の選手と言われていた。その見立ては間違っていないと思っている。すでに欠かせない戦力の1人だけれど、彼の天井はまだまだ遠い先にある。「20本そこそこで終わりたくない」なんて、佐藤輝にしか言えないコメントだ。

テレビ中継を見ていて気づいたことがある。佐藤輝の打球音だ。これはもう自信を持って言える。他の選手と全然違う。音の高さが違う。硬いものと硬いものがぶつかるとき、その衝撃が強ければ強いほど音が高く、より弾けるような感じになる。
佐藤輝の打球音はチームの誰よりも音が高く、大きい。打球音というより、ボールの破壊音といったほうが良いかもしれない。

前後に分厚い背中や、長い手足も魅力なのは間違いない。だけどその大きな体を使って生み出される打球音を聞くたび、タイガースファンとして彼を応援できて良かったとしみじみ思う。

この2日間、神宮球場で佐藤輝の打球音を満喫したファンが羨ましい。

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