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本当は髙橋遥人は凄くかっこいいんだ【8/11 対カープ戦◯】

どこか眠たそうな表情。
たどたどしいヒーローインタビュー。
穏やかそうな笑顔。
 
あれ、このピッチャーなんかかわいくね?
髙橋遥人が人気を集めるのは、ある意味必然だったのかもしれない。男性ファンである僕も、髙橋のことはちょっとかわいいと思ってしまう。
今は過去のコンテンツが簡単に見返せる時代だ。リーグ優勝したタイミングで新しくファンになった人にも、かわいらしい髙橋のことは伝わっていたかもしれない。
 
こうして興味を持ってくれるのは嬉しい一方で、新しいファンに髙橋が投げている姿を見てもらえていないことがもどかしかった。
 
トミー・ジョン手術を受けた翌年に、肩と手首の手術も受けた。
髙橋が最後の1軍のマウンドに上がってから、もうすぐ3年が経とうとしていた。
 
本人は「緊張していた」と語っていたが、中継の映像を見ている限りはそんな風に見えなかった。久しぶりに多くの観客の前で投じた初球で148kmを計測したときの大歓声は、今でも耳に残っている。京セラドームに響いた歓声の大きさが、彼が帰ってくることへの喜びを表していたように感じた。
 
 
160kmを超えるストレートはない。
スイーパーのように大きく曲がる変化球も投げない。
 
それなのに打者が信じられないような空振りをして、バッターボックスで目を丸くする。
「髙橋遥人の投球ってどんなの?」と聞かれたら、もうこの1点に尽きる。
 
ストライクゾーンの球を振っているつもりなのに、キャッチャーのミットに収まったボールがあるのは内角低めの地面につきそうなところ。それだけスライダーの球速がストレートに近く、なおかつ鋭く曲がっているのだろう。
4回表、満塁のピンチで空振り三振を奪ったシーンはまさに髙橋のすごさが詰まっていた。相手打者が体制を崩して膝をついてしまうようなボール。そうだ、髙橋はあのボールが投げられるピッチャーなんだ。

ずっと言いたかった。
髙橋遥人は、本当は凄くかっこいいんだって。
全てのボールが一級品で、相手打者が嫌がる球を投げられるピッチャーなんだって。
前の日までの流れがどれだけ悪くても、髙橋が投げる日はそう簡単に負けやしないんだって。
 
戻ってきてくれてありがとう。
堂々と腕を振るその姿、最高にかっこよかった。
 

【あとがき】
同じくトミー・ジョン手術を受けた小川一平は、この日の試合を1人スタンドで観戦していたらしい。

次は、君の番だよ。

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