見出し画像

ずぶ濡れになった神宮球場の外周で僕が見た光景【8/7 対スワローズ戦●】

さすが僕らの近本光司だ。球審が試合の中断を告げようとする瞬間から、猛スピードでベンチへ引き上げていく。ベンチに戻るスピードも球界屈指とはおそれいった。 
いやいや感心している場合じゃない。前の日も雨が降って試合が少し止まったけれど、今回の雨はその比じゃない。水をはじくジャンパーは着ていたので大慌てで荷物をまとめる。皮肉なことに昨日の雨天中断がいい練習になった。
 
支度をしている隣の人にひと声かけて通路に出ようとしたが、遅かった。
同じような人たちで通路がごった返している。みんな濡れたくない人たちで屋根のある箇所へ移動する出入り口が詰まっている。高速道路のジャンクション渋滞のように、列はゆっくり少しずつしか進まない。雨は一層激しさを増して、もう雨宿りどころではなくなってしまった。
 
試合中から夜空がピカピカと光っていた。稲妻が激しく光るたびに、観客席からは悲鳴に近いような驚きの声が上がった。試合が進むにつれて、ゴゴゴゴゴという稲妻の音が大きくなった。
グラウンドのような開けた場所は落雷する危険がある。雷が激しくなれば試合が中断していた可能性があったのだから、雨が強くなる前に引き上げればよかった。


やっとの思いで屋根のあるところに移動できた。壁沿いに立てる場所を見つけて、荷物を床に下ろす。同じようなことを考えているお客さんで通路もいっぱいだ。人口密度が高い空間で、湿気がうっとうしい。退避したあとも、雨は激しく降り、稲妻は激しく輝いている。

3塁側のチケットを見せる入場口近くで、試合がコールドゲームになったことを知った。
 
帰り支度をしていると、周りのタイガースファンがにわかに騒ぎ出した。上を見上げると、タイガースの選手がクラブハウスに向かう通路を歩いている。
 
「みんなお疲れさま~」
「明日は頼んだぞー!」

 
みんな自分のことはそっちのけで、球場を後にした選手たちに声をかけていた。選手の反応は分からなかったけれど、あの距離感なら声も届いていたはずだ。


全身ずぶ濡れになったし、試合も途中で終わって残念だったけれど、同じタイガースファンに僕も勇気づけられた。また明日も応援しようと思えた。
 
【おまけ】

席の目線が低くくて臨場感ある写真が撮れる席だったから、もう少し見たかったな~(泣)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?