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走れる4番、大きなストライド【8/8 対スワローズ戦◯】

打席に立つとその大きさに驚かされるけど、ランナーとして塁間を走っているときもその大きさに驚かされる。
 
佐藤輝明。
もちろん脚力もあるのだけれど、踏み出した1歩で進む距離がすんごく長い。公式プロフィールでは身長187cm、体重96kgと記載されている。
 
……でっけえ。

四捨五入したら100kgになる人が猛スピードでグラウンドを駆け抜ける。内野手やキャッチャーは怖くないのだろうか。
陸上競技で歩幅を広くとる走リ方を「ストライド走法」という。佐藤輝はストライド走法をやっているわけではないのに、足が長くて1歩の歩幅が広いからストライド走法をやっているように見えてしまうのだ。
近本光司や中野拓夢のように、タイガースには脚力が武器な選手が何人もいる。けれども佐藤輝のベースランは唯一無二だ。中継で映ることは稀だけど、球場ではつい注目して見入ってしまう。
 
森下翔太の本塁打の興奮冷めやらぬまま、続く佐藤輝が四球を選んだ。衝撃的なホームランに、まだ球場はざわついている。続く大山悠輔は9球粘ったけれど内野ゴロになった。打球が高く弾んだので、ダブルプレーは免れそうだ。
2塁に到達した佐藤輝がまだスピードを緩めていない。ベースを蹴った。内野ゴロで一気に3塁を陥れるつもりだ。アウトが成立したファーストからボールが送球されたが、佐藤輝の足が先に到達した。
 
カメラ越しに見た佐藤輝のスライディングは、滑り込むというより浮いているようにも見えた。ベンチで戦況を見つめていた後輩の森下と野口恭佑が顔を見合わせて驚いていたのが印象的だった。
 
1アウト2塁と3塁では天と地ほどの差がある。
続く前川右京の天才的なミートバッティングが生きたのも、佐藤輝が3塁を陥れたからだ。
 この得点で試合の主導権を掴んだタイガースは5回に4点を挙げ、スワローズの先発をノックアウトした。打って攻略したという見方が強いけれど、僕は佐藤輝の走塁でペースを乱されたような気がした。

前川のタイムリーで生還し、ベンチに戻った佐藤輝を写真に撮っていると、佐藤輝の太もも裏付近のユニフォームが破れているのに気づいた。
それだけ激しいスライディングだったんだ。


 


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