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歓喜と興奮の中心に島本浩也がいた【8/6 対ベイスターズ戦○】

13連敗のち、3連勝。横浜スタジアムでやり返すことができた。決して快勝と言える試合ばかりではなかった。それでも振り切った。3つとも勝てて終えられたのは、島本浩也がいてくれたからだと、僕は思っている。

6回に佐藤輝明のタイムリーヒットで2点を勝ち越したが、すぐさま2点を取り返された。試合が動き始めたかに思えたが次の回はあっさり三者凡退。
先発の伊藤将司から代わった浜地真澄は自らの送球エラーでピンチを広げた。そして1アウト2,3塁となったところで島本に交代する。
点差はわずか1点。前進守備でヒットゾーンは広がっているし、何ならヒット以外でも得点の可能性が高いシチュエーションだ。

僕が座っていた1塁側観客席の盛り上がりは最高潮。これ以上ないチャンスを前に、叫びにも近い応援が球場を包んでいる。この厳しい状況を断ち切れるのは、島本しかいない。

1人目の打者、楠本泰史。代打の2球で追い込んだ。相手の出方を伺う球はいらない。3球勝負に出て、内野フライに打ち取った。ショート後方のへフライ。小幡竜平もよく捕った。3塁側から安堵にも近い歓声が聞こえた。
2人目の打者、関根大気。ストレートで追い込んだとき、3塁側からさらに大きな歓声が湧いた。あと少しだ。
この日島本が投げた7球目。高めに投じられたストレートにバットが空を切った。腕をめいっぱい振って投じた渾身のボール。その勢いの強さが、大きく暴れた左足に表れているようだった。

大興奮の観客席とは対照的に、落ち着いた足取りで島本がベンチへ下がっていく。島本のところへ駆け寄ったのは、ピンチを招いて交代した浜地だった。伊藤将の勝ち星と共に、浜地も守った。

これまで何度も島本のピッチングを見てきて、そのたびに「すごい」と思ったけど、今日ほど「すごい」と思えた試合はなかった。心を動かされた。

これほど心を動かされたのは彼が勝利のためと同時に、伊藤将や浜地のために投げていたからだと、僕は思う。2日前の試合では、加治屋蓮の後を受けえて同じく無安打無失点に抑えた。リリーフ陣にもしものことがあっても、今のタイガースには島本がいる。

トミージョン手術を経て再びマウンドに帰ってきてくれた不屈の左腕。
こうしてもう1度彼に声援を送れることが、どんなことより嬉しい。

何度でも言うよ。この3日間で君がいちばん、最高にかっこよかった。



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