コロコロ変わる名探偵
「さて、今回の事件だけれど」
そうやって私が切り出すと一同が表情を固くする。
「今回の事件は難しく見えて実は単純なの」
私は続ける。
「B子、あなたが犯人ね」
「いやいや待ってよ!私にはアリバイがあるのよ!」
「そう、B子が犯人に見えるけど違うの…アリバイがないC子が犯人なのよ」
「ちょっと待って!私にはあの凶器を扱うことはできないわ!」
「そう、C子こそ真犯人に見えるけど、隠れた動機を持ったD子が犯人なの」
「ちょっと、私だってアリバイがあるじゃない!動機だってないわよ!」
「そう、誰も殺害することができない…」
間を置いてから私は続けた。
「真実はA子による自作自演…つまり他殺に見せかけた自殺だったのよ!これから理由を説明するわ!」
私がそうやって強く宣言すると皆は一斉に表情を緩める。
そう、名探偵であっても私だって1人の人間なのだ。
親友である彼女ら全員を共犯として告発することなど誰ができようか。
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