見出し画像

毒舌宝くじ

「ぷ、宝くじで夢を買うって……夢見すぎ(笑)」

「うるさいな。高額当選は夢みたいなもんだろ」

「それにしても買ったのがたった1枚って、ぷ、貧乏かよ(笑)」

「うるせぇよ!」

そう、僕が買った宝くじはしゃべる宝くじだった。しかも毒舌。

「買い手があるだけウチの方がマシやろ。何社目?落ちたの何社目?」

「心まで読むなよ!それに余計なお世話だよ!」

そんな感じで、宝くじとの同居生活が始まった。

最初こそうんざりしたものの、慣れてくるといい話し相手のように感じてくるから不思議だ。

「またコンビニ弁当?自炊したら?仕事にもつけてないんだし」

「いつも一言余計なんだよ!」

そして、当選発表。

「あ、当たってる……3等の1万円だけど」

「よかったやん」

「これでお前ともお別れか」

「せやな、なんか寂しいな」

「……」

「な、なに黙り込んでんねん!べ、別にあんたのことなんて何とも思ってないんやからな!」

「お前……」

毒舌じゃなくてツンデレだったのか。



あとがき

#ショートショートnote杯 の作品で407字でした。

毒舌とツンデレは紙一重ですね(?)

前作:

次作:

Special Thanks!

bow さんの見出し画像で目に付いた「毒舌」と「宝くじ」を組み合わせて自由お題のショートショートとさせていただきました。

関連記事


この記事が参加している募集

スキしてみて

眠れない夜に

役に立った記事などありましたらサポート頂けると嬉しいです。