毒舌宝くじ
「ぷ、宝くじで夢を買うって……夢見すぎ(笑)」
「うるさいな。高額当選は夢みたいなもんだろ」
「それにしても買ったのがたった1枚って、ぷ、貧乏かよ(笑)」
「うるせぇよ!」
そう、僕が買った宝くじはしゃべる宝くじだった。しかも毒舌。
「買い手があるだけウチの方がマシやろ。何社目?落ちたの何社目?」
「心まで読むなよ!それに余計なお世話だよ!」
*
そんな感じで、宝くじとの同居生活が始まった。
最初こそうんざりしたものの、慣れてくるといい話し相手のように感じてくるから不思議だ。
「またコンビニ弁当?自炊したら?仕事にもつけてないんだし」
「いつも一言余計なんだよ!」
*
そして、当選発表。
「あ、当たってる……3等の1万円だけど」
「よかったやん」
「これでお前ともお別れか」
「せやな、なんか寂しいな」
「……」
「な、なに黙り込んでんねん!べ、別にあんたのことなんて何とも思ってないんやからな!」
「お前……」
毒舌じゃなくてツンデレだったのか。
あとがき
#ショートショートnote杯 の作品で407字でした。
毒舌とツンデレは紙一重ですね(?)
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次作:
Special Thanks!
bow さんの見出し画像で目に付いた「毒舌」と「宝くじ」を組み合わせて自由お題のショートショートとさせていただきました。
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