vol.3 プロデュース型マネジメントの神髄:相互理解力を高める

こんにちは!株式会社Tobe-Ruの戸澤です。

この会の最終回に移りたいと思います。
vol1で下図を示し、vol2ではプロデュース型マネジメントの入り口となる心理的安全性の高い職場づくりについてお話させていただきました。

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今回のvol3では上の部分となる仕組みに関してご紹介していきます。
仕組みというと堅苦しい言葉ですが、ようは相互理解力を高めることです。

▼社員が会社を知るための「中期経営計画」

社員が会社の成長や課題を自分事化するためには、当然会社が向かうべきビジョンやミッション、中期計画を知る必要があります。

そのために、中期経営計画を作る必要があります。

中期経営計画とは、3~5年の中期スパンにおける会社が目指すべき羅針盤をステークホルダーに伝わりやすいカタチでまとめたものです。

章立てとしては

・会社の過去から未来の全体像
(MVV共有、歴史、創業者精神、数字から見た歴史的成長)
・今期(前期)の振り返り
・来期(今期)の目標
・中期スローガン
・中期経営計画(製品、販売、組織…)

このあたりが一般的でしょう。

「中期経営計画は作られていますか?」と中小企業の経営者に聞くと
「作ったことがない」という方もまだたくさんおられます。

そして「作っているよ」という経営者の中でも中身を見せてもらうと今期の目標計画書になっていたりすることもあります。

中期経営計画は、目標の共有に留まるのではなく
●なぜ、この会社は存在しているのか?(存在・存続価値)を理解する
●ステークホルダー(特に社員)との心の距離を縮める
●ワクワクする
この3点が主な目的です。

▼中期経営計画って本当に意味あるの?

「中期経営計画」などでインターネット検索してみると「中期経営計画は無意味」のような記事がたくさん出てきます。そして、インタビューでもたくさん著名の方が「中期経営計画は意味がない」ことを根拠を持って語っておられます。

そのような記事に流されて(言い訳にして)、中期経営計画を立てない方がおられます。

中期経営計画を作る意味がないとして語られている多くの理由は
「VUCAの時代」
つまり、予測できない時代に、3年後、5年後の未来を語っても仕方がない、それよりも今に真剣に向き合うべきだ、ということです。

これは、当然、理に適っていますし、相当アグレッシブな経営者はそれでもいいと思いますが、そのような人でも過去、大半は計画書は作った経験があるでしょう。

それでも、私は中期経営計画は作るべきであり、伝え続けるべきだと思います。その理由は、前述でも述べた通り、中期経営計画を作成する目的が達成するかどうか以上に、ステークホルダーとの心の距離を縮めることが最大の目的だからです。

正直、計画通りに進むことは、ほとんどあり得ないと思いますし、市場環境や求められる技術力も変わるので、そのときは毎年上方(下方)修正や軌道修正をしたらいいかと思います。

ただ、今時点からみたときに、この会社がどこに向かっているか、を社員含めたステークホルダーには伝えていく責任はあると私は感じています。

▼中期経営計画が伝わる場「方針発表会」

中期経営計画を作ったら、伝わる場を用意しましょう。
「伝える場」ではなく「伝わる場」です。
せっかく良い計画を作っても、誰もワクワクしない、伝わらないと意味がありません。

株主からみたときに「もっと出資したい」
社員からみたときに「自分ももっとこの会社で活躍したい、成長したい」
顧客からみたときに「これからもずっとこの会社から購入しよう」
取引先からみたときに「卸価格を少し下げてでもこの会社に卸したい」

こんな想いが芽生える環境を作っていくのが「方針発表会」です。

ただ、残念ながら、コロナ禍でたとえ緊急事態宣言が明けたからといってリアルの場をまだ開催できる状況ではないかと思います。

オンラインでは正直限界を感じますが、集まることではなく、伝わることが目的なので、この目的を持って開催方法を工夫することで、良いアイディアが見つかるかもしれませんね。

▼会社が社員を知る「キャリア面談」

社員1人1人が自分事化するためには、会社側も社員を知る必要があります。

その1つとして有効的な手段が、キャリア面談、いわゆる1on1面談ですね。ただ、1on1面談をやればいい、ということではありません。こちらも目的を持って取り組みましょう。

私が考えるキャリア面談の目的は
●会社の枠を超えてその社員が目指している中長期キャリアを知る
●会社の方向性とその社員のキャリア性の距離感を理解する
●社員のポテンシャルや挑戦したい環境が適応できる場があるか考える
ことです。

このような面談を経て、キャリアプランや目標設定を立てていきます。

そこからOKRや評価制度などに落とし込んでいきます。

画一的な評価制度ではなく、社員1人1人カスタマイズされたキャリアプランが考慮された評価制度が仕組み化されることで

評価=会社の成長×社内活躍×自己キャリア成長

と多角的な成長と評価が紐づきます。

▼本記事のまとめ~共通価値観さえ合えば、みんな凄い!~

求める働き方はみんな異なります。
職場に行きたい人もいれば、在宅ワークがいい人もいます。
短い時間で程よく働きたい人もいれば、がっつりたくさん収入を得たい人もいます。

そして仕事特性も人によって異なります。
自己主張をするのが得意な人もいれば、傾聴力に長けている人もいます。
仕事が速い人もいれば、仕事が丁寧な人もいます。

どれも、やる気がある、ないではなく、その人らしさです。

一番大切なことは”共通価値観が持てているかどうか”です。

そこさえ持てれば、みんな凄いっ!

そう思えることで組織の広がりが見えてくるでしょう。

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