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几帳面な父親

几帳面に息子を管理しすぎる父親は高確率で息子を窒息させてしまう。

生真面目さが不足していた過去の自分を悔やむような子育てをする人は、自分のダラしなさがいかに自分を救ってきたか、自分が息をするために必要だったかということを過小評価しすぎている。

母親も父親も区別なく子育てにかかわるのは現代の当たり前だが、親がふたりとも子育てに熱心になることほど子供にとって苦しいことはないだろう。

毎日小言を言う人はひとりで十分で、ふたり以上いたらおかしくなるのは当たり前だ。

父親が小言を言い尽くした後に母親がフォローを入れる家庭の多さ。

しかし、フォローするという身振りは取り返しのつかなさをそのままなぞるような表現でしかなくて、必要なのは「そんなことはどうでもいいわ」という別の大人の警醒であり、そんなこともいまだままならない大人の存在である。

大人足る人と大人足らずな人を見ながら、子供は成長していく。

(2023年4月)

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