J2第7節 ~アビスパ福岡vs栃木SC~ マッチレビュー【ホーム初勝利!複数得点!勝利を呼んだ我らがキング!】

1.挨拶

どうもハラショーです。
ジェフ千葉戦のダメダメぶりから一転ベストゲームに近い出来を披露。
私は行けませんでしたが、現地の方々はいいゲームを見れたので勝ち組ですね!

ジェフ戦と栃木戦、一体何が変わったのか、今回はその辺も見ていこうと思います。

2.初めに

前回の分析同様5レーンをちょっと用いてフォーメーションを見ていきます。分からない用語があればなるべく答えるつもりですが調べてもらった方がいい回答を見れると思います。

3.スタメン

アビスパは前川に変えて城後を起用。ベンチには吉本、北島らが新しく入りました。ミコルタ、吉村はベンチ外…
吉村は吉本に起用の目処がたったこと、ミコルタは戦術理解(裏抜け指示をファビオがしたのに足元で貰おうとしてチームの悪循環を招いた。多分わかってなかった。)の理由で外れたかなと。

栃木SCは前節の3421ではなく4231を採用。
ベテランの点取り屋の大黒がベンチ外。前節スタメンDF久冨、右WB川田もベンチ外とメンバーを入れ替えてきました。おそらくアビスパが3トップを採用すること考えて採用でしょう。

4.アビスパ福岡と栃木SCの狙い

アビスパ福岡

ボール保持時
・SBを高い位置に保って相手を押し込む。
・カウンター時には両サイドバック裏に放り込み一気にアタッキングサードまで運ぶ。

ボール非保持時
・守備位置を高い位置に保って前から強度の高いプレスをかける。
→ドリブルが武器の西谷らにアタッキングサードまでいかせない。

栃木SC

ボール保持時
・西谷和希のドリブル、パスを起点にする。

ボール非保持時
・44ブロックを作りボール奪取直後、西谷和希を起点にカウンターを仕掛ける。

5.試合展開を見る前に…

先程話したアビスパの変化を話すと同時に栃木SCの弱点もざっと書いてみます。

アビスパの変化

1.シンプルにSBの裏を狙うようになった。
→一気にアタッキングサードまで行ける。

2.ボールを捌くタッチ数が大幅に減少
→どこかで攻撃が停滞することなく、スピーディなパスサッカーを実現することができた。相手のプレスの的を絞らせないことも可能に。

3.高い位置から強度の高いプレスを使うようになった。
→DF陣が相手の攻撃をもろに受けることなく、落ち着いて対処できるようになる。

栃木の弱点

1.CBが全く中央のレーンから動かないため食いつかされるSBとの間にスペースができやすい。
2.意外と栃木の選手がボールに食いつきやすい(CBを除く)
3.栃木の攻撃のストロングポイントの西谷兄弟は守備ではウィークポイント
4.左サイドに偏りすぎた攻撃

ちなみにですが弱点はいくつか後半に改善しています。

こちらに注目して見ていただければと思います。

6.前半の展開(アビスパの攻撃)

アビスパは前半から両サイドバックを高い位置に保って栃木の守備陣を前半から攻め立てます。特に栃木の左サイドはチーム内でもたくさん狙い撃ちすることは意識していました。


栃木のストロングポイントでもある西谷優希、西谷和希の兄弟を守って封じるのではなく攻めて封じる。攻撃は最大の防御と言わんばかりの攻めっぷりで兄弟に守備タスクを押し付けて攻撃参加回数を減少させることにも成功し、アビスパの攻撃時間も多く確保出来ました。

西谷兄弟のドリブル、パス等の能力は高いものがありますがいずれも165cmと小柄で松田、實藤はいとも簡単に競り勝ってしまう。プレスの強度も高いわけではないのでよくボールロストを狙われる1人である松田もキープできる時間は多かったです。

去年の西谷和希選手のデータですが自陣での空中戦は低い数値を出してますね。優希選手もグラフはなかったですが似たようなデータです。

そして栃木の右サイドも先述の弱点があります。栃木の弱点が露わになった例を3つ紹介してみます。

例1.前半6分の攻撃

田邉から石津へ、石津がSBを食いつかせて開けたスペースを輪湖が走り込むというシーンで簡単にアタッキングサードまで運べるというシーンがありました。この時ヘニキが輪湖について行きますが。ヘニキが食いついた結果ヘニキがいたスペースが開きます。そのスペースに松田と石津が飛び込みますがCBに防がれてしまいました。

例2.前半15分の攻撃

今回の攻撃は奪ったボールを城後→石津と繋いでそこからサイドチェンジ。貰った實藤がクロスを選択したことでチャンスにはなりませんでしたが、松田にスルーパスが出てたら決定機になってた可能性があった展開でした。

松田は食いついたSBの裏に走り込みましたが栃木のDFは彼のケアをしようという動きはなかったのでそこからマイナスに折り返して石津or城後に入ってたら得点だったかなと思います。

例3.前半44分

こちらはヘニキの食いつきから。
田邉から惇へパス、食いついたヘニキをかわすようにダイレクトで城後パス。城後も石津へパスしてドリブルを仕掛けて大﨑からファールをもらいました。

このようにアビスパは栃木の弱点を再三攻め立てますが。栃木が最後の最後で踏ん張る場面が多かったため得点には至らないシーンが多かったように見えます。

前節で狙われていた惇も城後、田邉とポジションチェンジを適度に行うことで相手に的を絞らせなかったのは良かったです。彼の守備負担軽減やフリーになる機会が増えて、前へ鋭いパスを送れるようになりました。

7.前半の展開(アビスパの守備)

アビスパは栃木のストロングポイントである先述の守備タスクの押し付けと強度の高いプレスのおかげで千葉戦での敗因の1つである。アタッキングサードまで簡単にボールを運ばれるシーンは前半全くなかったです。

城後の起用によって中盤の守備強化と西谷封じに成功したことは、今後においても大きかったと思います。

栃木の左に偏った攻撃を食い止めるための対策の例が前半8分に早速出ていますので見ていきます。

西谷優希に渡ったシーンですが早速アビスパの守備網が張り巡らされていますね。

ヤンドンヒョン→藤原、岩間のパスコース消し
城後→岩間の監視と寺田のパスコース消し
石津→ヘニキの監視
松田→西谷優希へのプレスと西谷和希へのパスコース消し

サイドチェンジは捨てて対応してるため狭い範囲に複数いる形に。サイドチェンジをすれば栃木とすればチャンスなわけですが左に拘った攻撃をしてくれているためこの守備が出来たと思います。

西谷優希は松田をスピードでかわして西谷和希に送りますが、彼を監視していた鈴木惇が読んでいたためすぐタックルをしてボールを奪うことに成功しています。

このように栃木が偏った攻撃をしてくるのに対してアビスパ側は割り切った守り方を選択していたため、ボールがアビスパによく渡ることになり主導権を握ることに成功しました。

8.後半の展開(アビスパの攻撃)

後半に入っても基本やることは変わりませんでしたが、栃木が3バックになったことで前半ほど攻撃頻度は多くなかった印象です。そんな中でセットプレーとPKで得点を取れたことは大きいですね。前半で点をとって欲しかったですが…

WBとCBの裏を狙うために木戸を投入し、木戸と松田で裏を狙う作戦に、ここの位置には後半にヤンドンヒョンも走り込んでましたね。

あとはヤンドンヒョンに変えてスピードに優れた森本を投入しゲームセット。

9.後半の展開(アビスパの守備)

後半に入って田坂監督もまずいと思ったのか、全くボールに触れてないFW大島変えてDF田代を投入し3421に変更。すると栃木の攻撃が前半はなんだったのかというくらい生まれ変わります。2失点はしましたけどね…(笑)

3421にした事により、アビスパの4バックが栃木の前線とミスマッチの状態になったこと、西谷兄弟がよりゴールに近い状態でプレイできるようになったことで勢いが生まれます。

アタッキングサードまでボールを運ぶ且つSBを下げさせるためにSBの裏をとる。SBの裏に向かってドリブルを仕掛ける等を行って攻めてきました。このあたりで西谷兄弟が息を吹き返して活性化したように見えます。ただここでファビオも黙ってはおらず442にして西谷和希を城後が監視しやすいように対応。

3421に変更した栃木に対してはセオリー上はあまり得策ではないですが、442に変更して対応したファビオの手腕はお見事だと思います。幸い栃木のボランチとCBにはドリブルで運べる人材がいなかったのでロングボールを放り込んでくれました。

10.両監督の交代の意図

福岡 ファビオペッキア監督

74 石津→木戸
裏抜けの上手い木戸をFWとして投入。システム変更で3421になったWBの裏を狙うため。

84 田邉→前川
田邉がバテていたため。

90 ヤン→森本
前がかりになっている栃木の裏狙い。

栃木 田坂監督

46 大島→田代
後半頭からシステム変更をするため。
4231→3421へと変換を測り福岡の4バックとミスマッチの関係を作るかつ、西谷兄弟をよりゴールに近い位置でプレーさせるため。

87 福田→温井
正直なんで変えたんだっけとよくわからないですごめんなさい🙏

90 森下→古波津
森下が前川のスライディングの影響で足を痛めていたため。


11.アビスパ福岡のポジ要素と課題

ポジ要素

1.前節の反省(前線、中盤のプレス強度が弱く簡単にアタッキングサードまで運ばれた)からか。前から強いプレスをかけれていた。ただかけるのではなくパスコースを切りながらプレスをかけれていた。仮に通されてもそこに別の誰かがプレスをかけれていたのでチーム内でどこで奪うのかを共有できていた。

2.惇が前に出た時に必ず誰か(今節は田邉or城後)がそこを埋める仕組みが作れていた。惇が勝手に飛び出したりしてスペースが空いていたがそういうシーンも無かった。

課題

1.満点に近い出来ではあったが後半の栃木システム変更にやや苦しんだ。
2.上で挙げたポジ要素を次節以降も継続、発展できるかは気になる。


12.最後に

現時点でアビスパのベストゲームに近い出来だったと思います。これを過去の勝ち点取れなかった試合でして欲しかったですが終わったもんはしょうがない…

中三日とはいえホーム連戦だったので修正する余裕、切り替える余裕があったのは大きかったと思います。

次節は中三日で横浜FC戦。今年はちょっとエンジンがかかってないように見えますが、昨年は昇格した大分と並ぶ勝ち点75を獲得したチームです。簡単な試合ではないと思いますが、今日以上のゲームをしてくれれば必ずチャンスはたくさん作れると思います。関東アビサポの方々頼みました\(^o^)/

以上