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次の介護報酬改定、施設・事業所の“成果”を反映 政府 アウトカム評価の拡充を検討・・・という記事の紹介です。

今日は日本政策金融公庫から受ける創業融資の最終確認でよろず支援拠点の担当の方とWEB面談をしてもらいました。
以前、一度内容については確認してもらい助言をもらっていたのですが、その後、正職員1名の追加採用があり計画を大きく見直す事になり、そうこうしている間に指定申請や事務所物件の確保、法人設立などの実務を進めているうちに気が付いたらもう3月でした。

よろず支援拠点の担当の先生は、創業塾でも講師をされていたので色々と地域の状況や特徴なども教えてもらいながら、必要な助言を頂きました。
計画の内容については、大丈夫とは言ってもらえていますが、やはり初めての事なので非常に不安です。

時期が時期なので早急に手続きを始めた方がよい、との助言を頂いたので早速明日に日本政策金融公庫さんとの相談予約を取りました。
日本政策金融公庫さんとも一度融資の相談で、本当に最初の創業計画書を見てもらい、そこでも助言を頂いて現在の計画はほぼその助言を活かした内容になっていますので大丈夫とは思います。
資金繰りもきつめの予測で作っているので大丈夫とは思いますが、やはりどこまで利用者確保ができるか、という部分で大きな不安があります。

ここにきて、片道4時間以上かかる職場と立ち上げ中の事務所の物理的な距離が非常に重たくなってきました。
本来なら、請求作業がそろそろ落ち着く明日くらいから各居宅に相談周りをしたりしたいところですが、仕事もしながらの開業なので有給消化が始まるまで中々動きがつくれません。

出来ない出来ないといっていてもどうにもならないので、限りある時間を有効に活用する必要があり、そこをどうするか、というのが現状の大きな悩みです。

4月オープンのチラシは各ケアマネ事業所と地域包括支援センターに配って一応の宣伝はしたのですが、まだ事業所番号がもらえていないので事業所番号も付いた本番のパンフレットも急ぎで作成する必要があります。

事業所番号については、今週末から来週明けくらいには発行される見込みとの事で、こちらについては一息つきました。

パンフレットの中身ですが、やはり既存の訪問介護事業所と同じ事も出来るけど、こんな事もできますよ、という部分はアピールしたい所です。
直行直帰とスーパーフレックスタイム制を導入し、限りなく自由な働き方を追求していく予定で、そこを上手に活用してAM6時~PM23時までのサービス提供を工夫したいと考えています。

また、保険外サービスもするので、そちらも活用してもらえれば、だいたいの困りごとには対応できるかと考えています。

重要なのは、これからの訪問介護をデザインする上で、自立支援と個別ケア、地域との繋がり、やりたい事が出来る・増える、本人が主役になるサービス、という部分と考えているので、そこをどうアピールできるかが課題ですね。ここはlineworksで日常的に検討しているのですが、なかなか定まらない感じです。

個人的にやってみたいのは、利用者さんが同居家族のために作る手料理の支援です。ヘルパーが家族の食事まで作るのは出来ませんが、利用者さん自身が作る料理のお手伝いは可能ですし、もともとは家族に作っていた料理が、加齢や認知症等によって難しくなってできなくなる状況があると思うのですが、それでも何か援助があれば出来る状況はあると思っています。
そこをお手伝いしていきたい、それがご本人にとってすごく良い事につながると思うからです。
出来ないからヘルパーがやる、という事ではなく、ここを手伝えば自分で出来る、という事を自宅の生活の中で一つでも増やしていきたいと思っています。

そういう事が増えていけば、きっとオシャレして外に出たいという事にもなると思いますので、お友達と会いたいとか、お友達と一緒に出掛けたいとか、自治会とか町内会の集まりに参加したいとか、介護予防体操教室に通いたいとか、そういう地域に出ていく、地域の中で繋がりを作れる・維持できるような訪問介護サービスもしていきたいと思っています。

また、寝る前にお風呂に入れる、という事もやりたい事の一つです。
高齢者の死亡原因の多くが夜間早朝のヒートショックによるものですので、そういう時間帯の入浴やトイレの見守り等の支援が入る事である程度防げるのではないか、という想いと、自宅でお風呂に入りたい時に入れる環境があれば、自宅での入浴の回数が増えてそれだけで身体機能の低下の予防に繋げる事ができるのではないか、と思っています。
また、デイサービスで新設された入浴加算Ⅱは、自宅等での入浴を推進させる目的の加算ですので、デイでの入浴から自宅等での入浴にシフトしてもらうためにも、自宅等で入浴可能な方については極力自宅でお風呂に入れるように支援していきたいと考えています。

地域に7事業所あり、8事業所目の訪問介護サービスで後発事業所ですので、当然単価の高い要介護の方の紹介はほぼもらえないと思っていますので、総合事業やA型サービスの利用者さんを獲得する前提とするのであれば、上記のような取り組みは結構現実的だと思っています。

これからの介護サービスは、出来ない事を代行するという発想ではなく、何をどうすれば出来る事が少しでも増えるのか、という事を追求しないといけないと考えています。
そして、そういうニーズを発掘して利用者を獲得して経営を安定化させる事が、これからの訪問介護事業所の大きな課題の一つと考えています。

まぁ、本当は介護保険制度のスタート時点から自立支援というのは位置付けられていて、単なる代行ではないよ、という事は言われたきたはずなんですけど(少なくとも僕自身は介護保険制度スタート時からヘルパーの専門性についていろんな議論があった事を見聞きしてきて、現場のヘルパーさんの感覚と制度が目指している方向性がもうこんなに離れてしまっているのか・・・どうして?・・・と思っていました)、現実には、生活援助がどんどん評価されなくなってきた経過も考えると、報酬でペナルティを与えないと介護事業者は自立支援をしてくれないな、という国や厚労省からのメッセージだと思っています。

そんな感じでいろいろ悩んでいる所に、こんなニュース記事が出ていました。

政府は2024年度に控える次の介護報酬改定に向けて、高齢者の自立支援・重度化防止などの「アウトカム評価」を拡充する方向で検討を進めていく。【Joint編集部】

JOINT

自立支援や重度化防止については、もうずっと前から言われてきた事だと思います。そもそも要支援1・2の区分が出来たのもそれが目的だったんじゃないかと・・・。

アウトカムとは・・・

アウトカム(あうとかむ、Outcome)とは、結果、成果という意味である。

看護roo!

介護保険制度での結果というと、介護度が低くなるという事でしょうね。
実際、介護度が一定レベルで低下している事業所には事業所評価加算という加算が取れる仕組みは既にあります。

自立支援や重度化防止について、どのようにして結果を評価するのか、これが難しいので中々進んでこなかったんだと思っているのですが、何か新しい評価の仕組みを作るのか、既にLIFEで運用されているバーセルインデックス評価がベースにしていくのか・・・。

LIFEが始まる前に情報が出た時点で、当時勤めていたデイサービスで採用していたベテランの理学療法士さんにバーセルインデックス評価って実際どうなんですか?と聞いたところ、実際に出来る出来ないの評価とは差が出やすい評価じゃないか、と教えてもらいました。
どうせやるならFIM評価の方がより現実的じゃないかと。

なので、無理がないのであれば、バーセルインデックスの評価とFIMの評価を並行して実施してデータだけでも積んでおいて欲しい、と依頼しました。

Barthel Indexの頭文字から「BI」と略されることもあり、専門職以外でも容易に理解でき、時間をかけずに比較的正確な評価結果が得られる国際的なADL評価の一つです。

バーセルインデックスの目的は、本人が日常生活の中で「できるADL」を評価し、現状のADLの状態を簡単に把握することです。バーセルインデックスによるADLの評価では、環境や条件などは細かく設定されていないため、誰でも短時間で評価が可能で、点数で自立度がわかりやすいので患者様やご利用者の全体像の把握に役立ちます。

リハプラン

FIMの評価は、患者様や利用者様の日常生活動作(ADL)の介護量を測定することができ、ADL評価の中で最も信頼性と妥当性があるといわれています。医学的な知識がない方でも採点できるため、医療現場だけでなく介護現場でも活用されています。

FIMの評価項目は、運動項目と認知項目の計18項目で、各項目を1点〜7点の7段階で評価します。コミュニケーションや社会的認知などの認知項目を含むため、実際に日常生活で行っている動作を評価する、変化を確認するのに最適な評価方法です。

リハプラン

ちょうどそのデイサービスを含めた拠点の立て直し中だったので、しばらく腰を据えるつもりでいたのですが、その後そのデータを活用する間もなく異動になってしまいました。

実際、こういう評価をしっかり行う事である程度数字にして見える化はできるとは思いますが、要は評価する人の評価基準(ものさし)が同じでないといけないので、単にチェックリストの項目を見て評価するのではなく、それぞれの項目の意味合いを理解した上で評価しないと正確な評価はできないと思っています。
介護職でも行える評価方法ではありますが、正しく判定できているかどうかは、リハ職のセラピストに評価方法に間違いがないか等を評価してもらってからの方がよいと思っています。

個人的に、こういう評価はすごく大事なので適当にしてはいけない作業なんですけど、多くの介護職はこういう事についてその重要性を理解していない人が多くてやっつけ仕事で適当にやってしまう人もいますので、そこのバラつきがないようにだけはしないといけません。

施設・事業所が出す実際の成果へのインセンティブを今より高め、介護現場に効果的な取り組みを促す狙いがある。

JOINT

インセンティブとは
インセンティブとは、出来高や業績に応じて支給される給料です。

インセンティブとは

介護業界としてはあまり歓迎したくない成果主義というやつですね。
しかし、これだけ社会保障費用を削減していこうという流れの中で、税金の無駄づかいを少なくするには効果を上げている所を報酬でも評価する、というのは当然の流れだと思います。

介護保険法は、要介護状態の軽減又は悪化の防止が理念・目的として掲げられていますので、介護現場で利用者さんがどんどんと出来る事が少なくなっていく事は、本来ならあってはならない事なんですよね。
ただ、老化による身体機能や認知機能の低下は避けられませんので、そのあたりの判断が難しい。
しかし、これをそんなことを言ったってそんなの理想で現実はちがう・・・と最初からあきらめてしまうのはどうかと思います。

理想に向かってどこまでできる事をやってきたか、その上での評価だと思います。やる前から諦めるというのは専門職として、プロとしてはダメじゃないかと思います。

しかし、そうはいっても今までうまくシステム化できなかった評価制度なんですけど、どういう感じで評価して報酬の乗せてくるのかは興味がありますね。

ただ厚労省は、「状態の改善が見込まれる高齢者らを事業者が選別するなど、いわゆるクリームスキミングが起こる可能性がある」などの懸念も説明。今年の社会保障審議会の分科会などで、具体策を丁寧に議論していくスタンスをとった。

JOINT

施設入所の基準を要介護3以上とかにしたの誰でしたっけ・・・。
既にいろんな所で選別は行われている気がするので、あえてインセンティブ制度の導入時にだけ気にするのも変な感じがします。

実際、通所なら要介護度区分が高い人を選ぶんじゃないかなぁ、同時に要介護2の人と要支援1の人の利用相談があった時に、現状の介護報酬なら要介護2の人と契約しますよね。空きが1枠なら。

クリーム・スキミング(英語: Cream skimming)とは、企業が高価値をつけたり低コストな顧客のみに製品またはサービスを提供し、利益の少ない顧客を無視するというビジネス慣行を指す侮蔑的な概念メタファーである。

Wikipedia ‐クリーム・スキミング‐

僕自身、4月開業の宣伝でケアマネや包括を回った時に、総合事業やA型の方の受け入れはしてもらえますか?という質問は何件か頂けましたので、中には受けてくれない事業所もあるんだなぁ・・・なんて思いました。

結局、そういう事は大なり小なり既に起こっている事なので今更懸念しても仕方ないのではないかと思いますし、そもそもがそういう事が起こらない制度設計をしておかないといけない大前提があると思うんですよね。

自立支援や要介護状態の軽減又は悪化の防止を目的にしている介護保険制度なのに、少なくとも通所サービスでは、要介護度が軽くなれば報酬が減るという制度設計ですから、その時点で矛盾があります。頑張って自立支援して要介護度を軽くしたら収益が減るんですから、介護保険制度が言うようなちゃんとした取り組みをすればするほど経営が苦しくなるという仕組みなんですよね。そりゃそういう制度が原因で介護予防の取り組みが遅れたという側面もあるんじゃないかと思いました。

○ 施設からの在宅復帰を評価する加算
○ 褥瘡の予防を評価する加算
○ リハビリによる社会参加を評価する加算
○ ADLの維持・改善を評価する加算
などが既に導入されている。


厚労省は前回の介護報酬改定で、こうした加算のメニューを増やしたり単価を引き上げたりする施策を展開。LIFEを新たに導入したことも含め、自立支援・重度化防止にこれまで以上に重きを置く姿勢を打ち出した経緯がある。

JOINT

これらの加算の単価がアップする可能性は高いですね。
同時に基本報酬が引き下げられるのでしょう。
今まで通りの取り組みでは本当に生き残れなくなる可能性はありますね。

ただ、たとえばADL維持等加算ですけど、複数の事業で同一利用者を評価した時に、バーセルインデックス評価の値が完全一致していればいいですが、一致しない場合もありますけど、そういうのは大丈夫なんでしょうか。
また、在宅では複数の事業所が関わって在宅生活を支えます。
ケアマネージャーも当然ですし、福祉用具だってなくてはならない存在です。デイサービスにヘルパー、訪問看護、訪問リハビリなどなど・・・、ADLの維持・改善のが出来ている利用者さんに関わっている全ての事業所に加算がつくのでしょうか。きっとそうはならないとは思いますが、じゃあどこで線引きするのか。これ結構難しい問題だと思いますよ。

一方で現状の課題として、

○ アウトカムには様々な要因があり、因果関係を特定することが難しい

○ 介護の取り組みとアウトカムの関連などについて分析を行い、エビデンスの集積を進める必要がある

○ いわゆるクリームスキミングが起こる可能性がある

などを説明した。「介護関係者のコンセンサスを形成する必要がある」とも指摘。具体策の検討を進めつつも、拙速な判断は避ける構えを強調した。

JOINT

そう、プロセスを評価しない限り結果を導き出した因果関係を特定する事は不可能ですし、複数の事業所が関わるサービスでは尚更です。
どこの事業所がこういう取り組みをしていたのでこうなった。と単純にいけばいいですけど、そんな単純ではないと思います。

2024年度の改正で導入する仕組みであれば、あまり時間的な余裕はないように感じます。特に介護関係者の合意形成を進めるのであれば、今からある程度の具体案を出してくれないと絶対間に合わないと思います。

あぁ・・・また次の改正前夜はバタバタするんだろうなぁ・・・
要件とかQAとか具体的に示されるのもギリギリなんだろうなぁ・・・
・・・なんて思いながら書きました。


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