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成長に期待するんだけど期待してはいけない。

暑くなってタイトルがおかしくなっている訳ではありません。

たぶんですよ、わかる人にはわかってもらえるワードなんじゃないかと思います。

職員を指導する時に、僕が自分で気を付けている事がタイトルの『期待するけど期待しない』という事です。

アンガーマネジメントにも繋がるのかな、と思うんですけど、人ってどうしても他人に期待してしまいますが、その期待をする事をやめてしまう事が、感情コントロールで一番効果的だと僕自身は実感しています。

期待すると、期待通りにならなかった時のがっかり感ってすごいですよね。
期待すると、期待通りにならなかった時に腹が立ちますよね。

結局、周りがどうあれ、期待したのは自分であって、裏切られたと感じたりショックを受けるのも自分のせいなんですよね。よくよく考えたら。

ですので、若かりし頃にイライラしていたリーダーだった僕は、これでは良いリーダーになれない!と思って、自分の感情コントロールについていろいろ勉強したり試したりしの試行錯誤の末に、”期待しない”という境地にたどり着きました。

期待しないと本当に心が穏やかですよ。
周りの動向に自分が動かされなくなります。
多少影響を受ける事があっても、イライラしたりはほとんどしなくなりました。

特に、育成面ではまったくイライラしなくなりました。

これは根拠が曖昧なんですけど、期待しなくなった事で、ありのままの今のその人を客観的に見れるようになったと思っています。

それまでは、自分の中で勝手に作り上げた相手像と育成という綱引きをしていた感じですが、ありのままの相手と一緒に育成というミッションにチャレンジするような感覚です。

育成は、一方通行ではないんですよね。双方向で、もしかしたら教えている方が学びが大きいのではないかとも感じています。
そういう実感が強く得られるようになったのも、期待をしなくなってからだと思います。

結局、期待していた頃って、相手を変えようとしていたわけですよね、簡単に言うと。
本当は、他人なんて変えられないのに。
それを勝手に自分は変えられると錯覚して、期待して、思い通りにならなかったら怒る。

冷静に考えると、そういう事を育成の場でしていたように思いました。

そこで期待しない、という境地に至ったのですが、期待しないにもいろいろあって、文字通りの期待を全くしていない、という事ではありません。

そりゃあ期待感はあります。
でも、その期待感と、今の到達は別だ、と分けて考えれるようになった、という方がより正確なのかもしれません。

なので、期待しないけど期待する、なんです。
タイトルと言い回しがあべこべになってますが気にしないでください。

たとえば、育成指導する際には、やはりここまで育ってほしいという期待値は伝えます。いついつまでにこうなろうね、みたいな感じで。

そこに向かって一緒に頑張ります。
僕もだいたい慣れてきたので、だいたい期待通りの成長をしてくれるケースが多いですし、良い所までいくケースが多いです。
ただ、中には思ったように行かなかったりもします。

そういう時は、僕はこう受け止めるようにしています。

『今じゃなかったが、必ずそこまで育つ。』

ようは諦めが悪いだけなんですけど、育成って介護と同じで、指導者(介護者)が諦めてしまったその時点で、そこが限界になります。
中には自分で育ったり自分で頑張って自立した生活を送れる利用者さんも中にはいますが、こっちが諦めたら成長しないと基本的に思っています。

たぶん、自分で成長できる職員は、すぐにリーダー層になっています。

なので、育成や指導が必要な職員に対して、指導者側が諦めてしまったら、そこで終わりなんですよね。当たり前ですけど。

なので、リーダーや指導者は、そこを諦めてはいけないと思っています。
個人的には、暑苦しくいつまでも言い続ければ、そのうち相手も感化されて意識が変わる時がくると思いますので、そこまでじっくりとコミュニケーションをとるしかないと思っています。何年でも何十年でもです。

介護の仕事は、人間力がモノを言うと思っています。
なので、人間であれば誰でもが無限大の可能性を持っている業種でもあると思っています。自分が商品なんですから。
自分を磨けば磨くだけ、よいサービスが提供できるんです。
そこに不可能はないはずですし、その人なりの唯一の可能性だって必ずあるはずです。

スマップの”世界に一つだけの花”の歌詞にあるように、『もともと特別なオンリーワン』なんです。
個性を生かした仕事は、ケアの実践が一番合っている気がします。

リーダー・指導者として、そこを信じてどう自分と向き合うかが非常に重要な課題なんだと思っています。

まぁ、これも力のあるリーダー層には伝えてはきたつもりですが、なかなか伝わらないんですよね、伝わるまで何でも言うんですけど。
なので、いつか同じような境地に至るだろう、と思って取り組んでいます。

いつかそうなる、という感じでその人の成長を期待する、というよりも”信じる"という方が正確かもしれませんね。

指導者に助言をする時には、必ず将来どうなっているかをイメージして逆算して教えるように工夫せよ、と伝えています。
想像できません、とか言われますけど、想像できない時点でコミュニケーション不足だ、と指導しています。

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