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介護サービスの質向上のための「マジ神AI」 ベネッセ流の介護DX・・・という記事の紹介です。

もう1月12日ですよ、週明けたら15日で1月も半分が過ぎ去ろうとしています。
早いなぁ・・・。

訪問先でも、あっという間ですね~、なんて話をしながらお掃除やお手伝いなどしてきました。

さて、今日はDXに関する先進事例の紹介です。

人の一生の「よく生きる」を支援するベネッセグループの中で、介護事業を展開する株式会社ベネッセスタイルケアが開発した「マジ神AI」は、介護のプロフェッショナルの思考をAIに学習させることで、経験の浅い介護士でも質の高いサービスを提供できるようになることを支援するAIソリューションだ。高齢化と少子化による介護人材不足が深刻な課題となる中で、介護現場の負担を軽減しながら、質の高い介護サービスを提供し、人材育成に寄与することが期待されている。

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こういうAIが登場するのはもっと先の事だと思っていましたが、ベネッセグループでは事例の積み上げとデータ化をしてきたみたいで、それはすごい取り組みだと思いました。

AIが提案できるくらいの情報量が既にデータ化されてAIに学習させているという事なので、結構すごい事なんじゃないかと。

僕自身、介護現場での実践の事例がスキルアップには最も有効だと思っていて、要は介護現場の取り組みの歴史そのものなんですよね。
歴史から学ぶ事は本当に沢山ありますが、介護スキルも同じで、介護実践の歴史を学ぶ事で知識や予測、応用力など観察から思考の幅が大きく広がると思っています。

なので、こういう実践の事例の共有化は介護業界全体で何か統一されたツールなどで簡単に共有できて、介護職がいろんな事例に触れる事ができるようになる事が重要だと思っていましたが、そういう事が実現しそうな見込みは現時点では見えてこないので、各事業所ごとの取り組みで努力していく必要があるなぁ、と思っていました。

小難しく事例をまとめる、となると敷居が高いので、簡単な情報を共有できてもいいとは思うのですが、生活歴や病歴、認知症の有無や種類、性別年齢など細かい情報があればあるほど、それぞれの事例での比較・分析の精度も上がるので情報量は多いに越したことはないのですが、そうなると報告など苦手意識が強いと言われる介護職には敷居が高くなるだろうし、そもそもそんな時間も取れないというのが現実だと思っています。

「『マジ神』は、介護の匠がケアすることで、険しい表情の認知症の方が数時間で笑顔になった際、若手社員が『マジ神っすね』と言ったことが由来となっています。『マジ神AI』があれば、経験の浅いスタッフでも現場で困ったときには匠の視点でAIが対応のヒントを提示してくれるので、現場の負担を軽減しながら、より質の高いサービスの提供することができます」と、ベネッセスタイルケア 介護DX推進部の祝田健氏は話す。

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現場でAIが提示するヒントを拾えるという事は、職員それぞれがスマホなどを携帯してその場で質問する感じなんでしょうかねぇ。
いや、本人の目の前でそんな事したら余計ややこしくなるだろうし、その場でどうのこうのというシステムではなさそうな気がしますが、活用のタイミング自体がちょっと難しそうな気もしますが、それでもこういうシステムを活用を始めている事自体が評価されていいと思います。

「開発の裏にあったのは、『マジ神』の知見や能力を本人だけにとどめるのではなく、そのノウハウをより多くのケア現場に拡げながら、より多くのご入居者様のQOL向上に寄与したいという強い思いです。現場の省力化や合理化のためのテクノロジー活用ではない、ご高齢者のその方らしさにスタッフを導くためのソリューションとして開発を進めた結果、一歩ずつの進化と強い思いの追求が、他にはないAIソリューションの実現へと至りました」と、祝田氏は語る。

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実際、各法人や事業所では事例の共有などの実践はしてきていると思います。
ただ、そういった事例から学ぶ事の大切さをどれだけの現場職員が感じてきたかは不明です。もし、現場職員がそういう事例から学んで実践で役立てたい!と、もっと多くの人が思っていたら、おそらくもっと事例の共有などの取り組みやシステムの構築が進んでいたのではないかと思っています。

また、僕自身、以前の職場で事例をまとめた事がありますが、年単位で自分やチームが取り組んできた事例を遡ってデータを集めて、他人に発表するためにまとめるという作業は、結構なスキルアップになりました。

自分の経験や行動、思考・選択、なぜその時そのような判断をして行動をしたのか、そのアクションに対して利用者さんのリアクションはどうだったのか、というのを文章にしていく事で、より客観的により根拠が明確な知識として自分の中に吸収できるという実感です。

ですので、ちょっとした事でも簡単な事でも自分が取り組んできた事について事例にまとめるよう部下に勧めてきましたが、自ら進んで取り組んだ職員は皆無でした。

それだけ介護職は、そういう取り組みをしたがらない、という認識でした。

この記事で紹介されたAIシステムのように簡単にヒントやアンサーが得られるのは良い事のように思いますし、実際に活用できると思いますが・・・介護の専門職として、それでいいのか?という想いもあります。

医療や看護と違って、一人ひとりの利用者さんに個性があって人生があって全く同じ人は居ないので介護実践での対応については、似たような対応が効果的な事もある場合もあれば、まったく効果がない場合もあるのでAIのヒントや回答だのみでは通用しないケースも多いのではないかと思います。

そのあたり、医療や看護のように病気に対して何をどうすればどうなる、と明らかになっているわけではない事に対してのアプローチなので、介護実践現場の個々の職員の人間性が非常に重要なファクターになると思うんです。

同じ対応をしても、Aさんはうまくいかないけど、Bさんはうまくいく、というケースは介護現場では多いです。

相性もあるとは思いますが、なぜその対応が必要なのかの根本的な理由を知っているのと知らないで対応するので、その対応そのものが見た目は同じように見えても全く違う対応をしている場合もあるわけで、ただ単にヒントや小手先の対応の提示だけでは、うまくいかない事もあるんだろうなぁと思って読みました。

そのあたりの課題や問題については、これからの実践の中でいろいろ出てくると思うので、いずれにしてもこういうシステムや取り組みについては、全て完璧な状態っていうのを最初から求めていても無理なので、実践しながら精度を高めていくしかないと思うので、どんどんこういう工夫は広がればいいな、と思いました。

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