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「基準」と「評価」のセット設計

今日は、お休みでいよいよ迫ってきた引っ越しの荷造りを頑張ってます。
息抜きに先日まで読み進めていた記事の紹介など。

前回の記事では、グローイング・サイクルについて勉強しましたが、その中で要求する、という事が重要と学びました。

最後の3回目の記事では、そのグローイング・サイクルを仕組化して組織に取り入れるには、なにをどうすればよいかが紹介されています。

『グローイング・サイクルの1、基準を示す がポイントです。評価制度の設計の際は役職などの役割に応じて行うべきことを整理し、優先順位を付けます。これが、基準を示すことです。そもそも基準がないと、何を評価すべきかが定まらず、評価項目を抽出できません。評価項目を作ったら、最終的には給料や賞与に結びつけていきます。』

介護の業界での基準って非常に曖昧ですよね、特に対利用者での仕事の成果は即効性が少ないので目に見えない効果が多いですし、様々な要因が重なり合って効果を発揮するようなケアのケースもあるので・・・。
例えば入浴を一人何分で入れれるか、などというのは一つの基準にはなるとは思いますが、早ければいいというものでもありませんし、どれだけ限られた時間の中で利用者満足度を高めた上で自立支援を実施できるか、身体機能の残存能力によっても時間や工夫や必要なスキルは違ってくるので、そういう基準があったとしても、なんだか違うなぁ、と思ってしまいます。

逆に、ベッドメークやハイタッチサーフェスなどは、一定の基準があれば評価しやすいと思いますし、僕が業務に逃げる職員と評価する人たちは、こういった介護職でなくてもできる仕事を一生懸命やってしまう、優先してしまう人たちなんですが、そう考えると誰がみてもわかりやすく評価されるので、そういう方向に行ってしまうのかもしれませんね。

一概に評価しにくいケアの中身こそ、介護職の実力そのものであって専門性だとは思いますし、これからの人材不足の情勢の中では、国も示していますが、介護職はより専門性の高い仕事へとシフトすべき、という方向性もありますので、そうであるなら難しいかもしれませんが、専門性の高いケアの内容の評価基準の設定も必要ではないかなぁと思います。
キャリア段位制度もありますが、これも加算要件にでもならない限りは難しいなぁと思います。アセッサーや外部審査員の資格は持っていますが、これまで活用できていませんし、一定の習得レベルの評価指標にはなるとは思うのですが、段位1なら何ができるとか、もうちょっと簡単にはっきり分かった方がいいような気もしますし、評価してほしいのはそこじゃない感もあったりするので微妙です。しかし、何もないよりは全然良いとは思っています。

『よくある多いダメな例が、優先順位の低いことまで評価に入ってしまっているような、査定などの評価表や評価基準です。これでは優先度の高いことと低いことが同じ土俵で評価されてしまう。』

これは当法人でも一定期間で評価をする事があるのですが、全般的な評価になっていて、あれもこれも評価に入っています。
そうですね、優先順位がないので自分で自己評価をしていても、じゃあ何をすればいいのかがピンとこないことが多いです。
僕自身がこの評価制度で面接するときは、その評価シートの中から本人が一番得意とする部分と弱点と思ってる部分を示してもらって、僕からは僕が期待していて今後伸ばしてほしい項目を示しながら、次のステップアップはこういう方向性だね、みたいな感じで実施していますが、もう少し優先順位を意識したうえでポイントを絞った内容にした方がよさそうです。

『運用でもっとも重要なのは4、評価する の評価者の教育です。評価者を鍛えないことには絶対に上手くいきません。評価には必ず「甘い辛い」が出ています。そのブレをいかに修正できるか、経営層・会社側が重要事項だと認識し、放置しないことです。評価者の教育では、評価付けそのものへのフィードバックと、面談の方法そのものを教える必要があります。我流のクセがあっても本人は気づいていないので、修正してあげる仕組みを会社が用意することはとても大事です。』

やはり評価は最重要ですね。
特に僕も常に感じているのが、評価者の教育の遅れ・・・というか、わが社では評価者の教育はありませんし、僕自身も我流での評価ですので、そう考えると会社の中で統一された評価制度がないに等しいと思います。
評価者を育成する事が重要で、こればかりは記事の通りで会社でしっかり仕組をつくってレールを敷いてもらうしかないな、と思いました。

『全員が同じものを目指していない世の中になってきているので、評価制度の設計の難易度は上がっているんです。』

これは同感です。
介護の仕事なので、目的は絶対的に同じはずなのに、なぜか同じものを目指せてないチームが多すぎました。
これは年齢層だけで片付く問題ではなくて、僕と同年代でもそうだし、若い年代の方が考え方がちゃんと利用者さんの生活の質の向上に寄り添っている人もいますので、年配だから若いから、というくくりでくくれなくて、今の時代という、そういうよくわからない何かでそういう風潮になってきているような気がします。

『かつて私がマクドナルドで働いていたころは、店長になりたくない人がマクドナルドで社員として働いているなんて考えたこともありませんでした。しかし今は「店長になりたくない人」がたくさんいる。ユニクロも同様でしょう。』

介護の世界ではより顕著なんではないでしょうか。リーダーや管理者にはなりたくない人が多いですし、僕自身もそうです。できる事なら利用者さんとずっと一緒に接していたいし、直接介護していたいです。
根本的にマクドナルド等で正職員を目指す人と介護職で正職員になる人とは比較ができないとは思いますが、介護職では正職員になって給与待遇をアップする、という事が大きな目的なんじゃないかと思いますので、そういう意味では、やはり段階的にスキルアップ・キャリアアップすれば給与待遇が上がっていくシステムは必要と思います。
しかし、マクドナルドでも正職員が店長やリーダーになりたくない、という人が増えてきているのは驚きでした。

『そういった多様で新しい価値観を持った人たちにとってのやりがいを提示するーーこれが現代的な人事制度のコツでもあり、難しさでもあります。』

多様性の価値観を認める社会で、個にスポットがあてられる時代になりました。そういう中で、チームで利用者さんの生活の質を高めていく目的を一致させ、個の強みをチームで生かして個の弱みをチームでフォローする事が重要です。職員同士で助け合い支えあえ励ましあい認め合い、一人の利用者さんの笑顔のためにみんなで喜べる、そういうチーム作りが多様性を尊重される中で我々が取り組むべきチーム作りなんじゃないかなぁと思います。

ですので、今まで以上にチームメンバーはメンバー同士で強みや弱点を互いに認め合って切磋琢磨できる関係性の構築が必要ですし、そのためには人材育成のシステムや評価の制度がしっかりしたものでなければならないと思います。
しかし、これは本当に絶対に難しい課題ですよ。でも、何もしなければいつまでもスタートできなので、できる範囲でいろいろと考えて工夫して実践はしてみよと思います。

『企業規模が小さいうちから教育や評価を整えることは、将来の成長にとってかなり重要になっていく。ある程度の規模までは商品力の差別化で進むことができても、さらに会社を成長させるには限界がきますから。』

介護業界では商品力の差別化なんてのは別世界に感じる人が多いかもしれませんが、これからはどんなサービスをどんな人が提供しているのか、というのはSNSの発達や個の情報発信によって加速化していくと思いますし、そういう発信力は選ばれるポイントになると思います。
すでに今まで通りでは限界がきている介護業界と思いますが、noteを含めたいろいろな媒体で、若い世代やいろんなリーダーさんが情報発信されていて、これからの成長には、こういう情報発信の発信力は必要不可欠だろうと思います。

『サービス業の発展はまだまだ勢いがありますし、世界のサービス業を変える目標も、そこまで非現実的な話でもないと思っています。事業領域を拡げるというよりは、深める。』

介護もサービス業ですので、そういう意味ではしっかりとした人事システムがあって、きちんと頑張って成長し成果を残した分だけ評価される仕組みができれば、まだまだ可能性はあると思います。

それに、世界でもいち早く超高齢社会に突入した日本です。
海外でも多くの国が少子高齢化に苦しんでいて、高齢化した社会でのノウハウは欲しいはずですので、日本の現状というのはおそらくですが、いろいろな国から注目されていると思います。何が成功して何が失敗するのか、などなど。

そうであれば、いずれ我々の経験などは海外に輸出できるかもしれませんし、どうせなら海外でも評価されるような取り組みはしていきたいと考えています。ですので、若い世代の介護職の皆さんは、是非英語を話せるようになっていてほしいな、と思います。

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