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期待を伝える。

今日は、これまで寝かせてきた最大の課題がとりあえず一段落しました。

エリア内で赤字の訪問介護事業所から1名の職員を同じエリア内の別拠点のデイサービスに異動してもらうという事でしたが、実は僕が着任する前の段階で同じ想定があったようで、その時に打診があったようなのですが、子育て中なので保育所への送り迎えの時間が間に合わないという事で断られていたという事でした。

エリア内では、全地域で過疎高齢化が進んでおり、現在の最大拠点がある地域が最も過疎化しており、新規利用者の獲得など非常に困難な状況になっています。
一方で、同じエリア内でも比較的人口規模の大きな拠点のデイサービスで人手不足が深刻になっており、なんとかそこにマンパワーを移していきたいのですが、そこは誰でも行ける人ならいい、というわけにもいかず、僕も着任した後にいろいろ考えたのですが、やはり前回断られている職員がベストと判断しました。

ただ、無理な事をお願いしては退職に繋がりますので、本人がなんとか継続して働いてもらえそうな条件を受け入れ側の管理者と相談し、通常だとデイサービスは送迎などあるので8時前には出勤して仕事が始まるのですが、通勤距離を考えると絶対に8時出勤は不可能なので、そこを8時30分出勤で固定する条件を現地に了承してもらいました。

個人的には、人手不足で体制が厳しいのであれば時間帯がどうあっても来てくれるだけでありがたいので問題ないと思っていましたが、どうやら一人だけみんなと違う働き方はどうなのか・・・みたいなつまらない理由ですんなりと話が通らなかったようですが、そこも昨年末までに解決できました。

現地からは、本人が了承したかどうか年末までしつこく催促されていましたが、異動の話なので本人にとっては非常に大きな問題です、しかも前回断っている内容なのでそれでなくともストレスの大きな内容のはずなので、せっかくのお正月を嫌な気持ちで過ごしてほしくなかったので、大きな課題でしたが年をまたいで持ち越していました。

面談開始そうそう、もう予感はしていると思うけど、○○拠点のデイへの異動の話なんだけど・・・と切り出しました。

これはなぜかというと、この職員さん、普段あまり会話したりはしたことがないのですが、会議の中での発言でしっかりと経営を数字で見ている発言や意見を出してくれており、この半年以上の期間で僕が作った赤字の改善案や今後の展開(人手不足の中でも事業を維持していく内容)についても、大枠で賛成してくれていたように見えていたので、そうであれば客観的に考えれば経営戦略的にも自分が異動するのがベスト、というのは理解していると思っていたからです。

案の定、本人からは『いつその話がくるかと思ってました。』という回答でした。

そこから、とりあえずまず僕の話を聞いてくれ、という事で、今後の想定や期待している役割について本心を伝えました。

本人が、以前デイサービスでの経験もあり現在はヘルパーをしており、デイとヘルパーの両方を経験している貴重な人材である事。

異動先のデイは、管理者と主任が非常に優秀だが、書類作成と現場職員の指導で手いっぱいで残業が全く減らないのにそこから更に職員が1名いなくなる予定がある事。

人手不足だから誰でもよい訳ではなく、管理者と主任をサポートできる人員を送り出す必要がある事。(更に指導育成が必要な職員を送り込む事はできない)

本人が、以前デイで勤務していた時にリーダーで書類作成などの一部管理業務も担っていた事。

また、異動先のデイが地域密着型のデイで、今後の法改正の中でデイからヘルパー派遣に出れるような仕組みになりそうなので、ヘルパーの経験がある職員を、出来るだけ早くデイの現場に入れておきたい事。

新制度が具体化していくにつれ、法人のデイサービス部門の経営戦略もそのようになっていくはずなので、デイの現場レベルからヘルパー派遣に出れる働き方の見本なり工夫なりをする際に、必ず本人のヘルパー経験が役に立つという事。

エリア内で人口規模が大きな拠点だが、まだヘルパー事業所がない状況で休憩する時くらいの活用しかできていないので、今後5年10年かけて少しずつ利用者をその地域で獲得していかないとならない事と、段階的にヘルパー事業所の機能を現拠点から異動先の拠点へ移す事になるだろうから、そういう時期にも役割を発揮して欲しい、という事。

そして最後に、なかなか介護職で経営的な目線で数字を見れる職員がいないので、そういう視点のある職員を異動先の拠点に少しでも多く配置しておきたい事(赤字なのに現場レベルで危機意識がないので)。

一通りの話を聞いてくれた後に、本人からは『そういう事なら行きます。』という返事がもらえました。

ただ単に人手が足りないとかの理由だと断るつもりだったという事でしたが、僕なりに本人への期待や新しい職場での発揮して欲しい役割などを伝えたのと、子供さんの送り迎えの時間も検討した上で可能な範囲での働き方を調整していたので不安はあるけれど新天地で頑張ってみたい、という気持ちになってくれたようです。

実際、本人もこのままでは経営的にも良くないとは思ってくれていたようですが、今後の厚労省が考えている通所から訪問という流れの話などもしたうえで、そういう事についても興味を持って聞いてくれました。

最後に、4月までの期間は、そういう視点で今のヘルパーの仕事を自分なりに見直していろんな経験を積めるようにしてほしい、と伝えました。

まだまだこれからの40代の職員なので、新天地でしっかりと経験を積んで成長してほしいと思います。現地の管理者と主任も同世代なのでいい刺激になると思います。

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