30年は無くなりました。今は10年更新に
火災保険の住宅総合保障と同じような内容で「建物更生共済」通称:「建更(たてこう)」というJA共済の商品がある。
契約期間は30年。
30年前は、掛けた金額が増えて帰ってきた。
途中でボヤとか落雷で共済金を受け取っても、掛け金が上がらない、しかも満期が減らない、積立金の利回りが驚くような高利回りで、30年後の満期には、掛けた金額より30%以上も増えて満期共済金を受け取れる。
損害保険会社の火災保険はどこも掛け捨てだ。
でも、農協の建更(たてこう)は、必ず満期がある。
30年前に加入した島木春雄さんが、来月の満期を迎えられた。
そのご案内に伺う。
島木さんご夫婦は2人暮らし。子どもさんとは一緒に暮らしてない。
ご主人は間もなく70歳。
建物の保障は継続して必要のはず。
でも、きっと継続は考えてないんじゃないかと思っていた。
建更は30年しか入れないと思っているお客さんが多いからだ。
でも、建更は5年~10年くらいのスパンで商品内容の改定が進んでいた。
今の「建更むてきプラス」は、5年か10年のどちらかしかない。
若い世代では、住宅ローンと合わせるためとか、事情によっては30年保障のニーズもあるので、自動継続が2回までは付けられることになっていて、10年→10年→10年と継続して、トータルで30年の契約にもできる。
5年の場合は自動継続が付けられない。
もちろん、自動継続で最長の契約期間の方が、毎年の掛け金は安い。
そして5年の契約は一番掛金が高い。
家の縁側で腰掛けて作業をしていた春雄さんに
「建更の満期のお話に来たんですけど」
と話をすると、家の奥に向かって
「おーい!農協だよ。ほれ、建更の満期の事だってよ」
島木さんの家では、家計は奥さんが最終決定のキーマンだ。
奥さんも60代後半、案の定、満期の話をしたところ
「もう次は入れないわよ」
と即答で帰ってきた。
「いやぁ、実は
30年は人気が無くって
今は10年ごとの更新になってしまったんです」
と、契約期間が長いことに対する不安を取り除く。
「10年なら、良いわよねぇ」
お!ご検討いただけそうだ。
そこで、今までの建更と新しい建更のメリットとデメリットを説明した。
「例えば大雪で雨どいが壊れた場合、修理代が20万円以上かかるかどうかが、共済金の請求ができるかどうかの基準でした。以前はその基準のために、お役に立てなかったケースがたくさんありました。今は、20万円から5万円に、基準が下がったので、もしもの時にお役立ちできる範囲が広がりました」
「掛け金は?」
「今まで、満期で受け取るお金を、火災保障の金額の10%以上(または20%以上)積み立ててくださいね。という制限がありました。つまり、火災保障2000万円なら、満期の積立てを200万円まで掛けなければなりませんでした。これが、今は金利が下がって、保障内容が向上した現在では掛け金が大きくなってしまうため、火災保障の金額の3.4%くらいで良いですよ。と変わりました。ですので、掛け金の負担はとても軽くなります」
「満期はどれくらいかえってくるの?」
さあ、デメリットだ
「今回、満期を迎えられるご契約は、バブル直後のあだ金利が良かった時の契約ですから、掛けた分以上に返ってきました。ですが、バブル崩壊後に徐々に低金利、そしてゼロ金利、さらにはマイナス金利になってしまったこと、それと、阪神淡路大震災、新潟県中越沖地震、東日本大震災といった予想だにしなかった大災害が数多く起こって、JA共済もたくさんの方のお役に立つことがありましたので・・・・」
奥さんの表情を見て、ちょっと説明臭いな、と途中で思い、結論を言うことに変更。
「かけた分の半分くらいが返ってきます」
「ずいぶん少ないのね(笑)まぁ、でもしょうがないわね」
デメリットのハードルは、思ったより低かったみたいだ。
次回までの必要な書類を一覧で便せんに書いてご案内した。
デメリットも、言う時になったら思い切って言った方が、案外良さそうだ。
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