記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【映画感想】沈黙の意味 映画『沈黙 -サイレンス-』

 高校生のころに読書感想文の題材として原作小説を読んだんですが、かなり難しくて何を書きたかったのか分からない文になってしまったのを覚えています…(^-^; 
 主演はアンドリュー・ガーフィールド、脇をアダム・ドライバー、リーアム・ニーソンが固めるという、スパイダーマンもスター・ウォーズも通ってきた身からするとかなり嬉しい配役になっていました。ただ、その共演を楽しむ余裕は全くないほど強烈な作品だったと思います…

この記事は小説、映画『沈黙 -サイレンス-』のネタバレを含みます。ご注意下さい。

 

あらすじ

キリシタンの弾圧が行われていた江戸初期の日本に渡ってきたポルトガル人宣教師の目を通し、人間にとって大切なものか、人間の弱さとは何かを描き出した。17世紀、キリスト教が禁じられた日本で棄教したとされる師の真相を確かめるため、日本を目指す若き宣教師のロドリゴとガルペ。2人は旅の途上のマカオで出会ったキチジローという日本人を案内役に、やがて長崎へとたどり着き、厳しい弾圧を受けながら自らの信仰心と向き合っていく。

https://eiga.com/movie/85561/

日本人俳優

役人が使う英語も適度な違和感で聞きやすかった気がします。

 観たことのある日本人俳優が多く出てきますが、特に浅野忠信のつかみどころのない役は不思議と魅力的でした。
 また、井上奉行を演じたイッセー尾形の演技は海外でも評価されているらしいです。温厚な面と冷酷な面を併せ持つ役を言語の壁を越えて伝えられるというのは、声色と表情に理由がある気がします。

自然の音

虫の鳴き声がする今の時期に観るのがおすすめ

 作中で音楽はほとんど流れていなかったと思います。その分日本でよく聞くような虫の鳴き声や波の音、雨音など自然音が多く使われていました。終盤にフェレイラが指摘する「彼らは自然の内にしか神を見いだせない」というセリフと対応させるためにも、自然音を強調していたのかもしれないです。
 音楽がない分登場人物の心境を想像しつつ観ることも出来ました。

残酷さ+???

心が元気な時に観た方がいいかもしれないです。。。

 拷問や見せしめなど惨いシーンが多かったです。PG12指定(親の同伴で子供もOK)らしいですが、本当にレーティングがあっているのか疑ってしまうレベルに観るのが辛かったです。ロドリゴが言う「殉教は救いだと思っていた」というセリフにもあるように、本人にとって死ぬことに意味があったのかが分からないというのが辛さの原因な気がします…

沈黙の意味

 

 全体を通して「沈黙」の意味をずっと考えさせられました。役人に見つからないように声を潜めること、キリシタンであることを言わないこと、そして「神は答えはしない」ことなどです。人によって解釈の違いはあると思いますが、神の沈黙を乗り越え、キリスト教徒であることを隠して(黙って)密かに貫いたロドリゴの信仰は、「沈黙」とともにあったものだったのではないでしょうか。

最後に

 宗教を専門に勉強しているわけではないので、詳しいことは分かりませんが、日本のアニミズム(八百万の神とか)や西洋の心身二元論と関係してそうだな~と何となく思いました。


最後まで読んで頂きありがとうございました!!

画像の出典
沈黙 サイレンス : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)



この記事が参加している募集

#映画感想文

67,494件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?