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タイトルの意味を知った瞬間、脳内で数倍に膨れ上がる映画 Netflix映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』


 

大分前に1時間だけ観て放置していたのを思い出し、最初からしっかり観直しました。

タイトルの意味を知っているかどうかで楽しみ方は全く違うものになりそうです。個人的には全く知らない状態で観て、そこからそれぞれのシーン、物語の意味を自分なりに紐解いていくのが良い気がします。

書きたいことをそのまま書こうとすると、直ぐに今作の面白さに直結するネタバレをしてしまいそうなので気を付けて書いていきます…

あらすじ

大牧場主のフィル・バーバンクと弟ジョージの兄弟は、地元の未亡人ローズと出会う。ジョージはローズの心を慰め、やがて彼女と結婚して家に迎え入れる。そのことをよく思わないフィルは、2人やローズの連れ子のピーターに対して冷酷な仕打ちをする。しかし、そんなフィルの態度にも次第に変化が生じる。

分かりやすいキャラクター

 

フィル(ベネディクト・カンバーバッチ)、ローズ(キルステン・ダンスト)、ピーター(コディ・スミット=マクフィー)の3人がそれぞれ演じるキャラクターはどれも特徴的でした。

フィルは典型的な頑固者カウボーイ、ローズは不憫な奥さん、ピーターはちょっと頼りない引きこもり息子と、皆外見と性格が見事にマッチしていて超ハマり役です。
牧場と牧場主の家というシチュエーションからほとんど動かないものの、この3人が起こすドラマに釘付けになりました…

上手すぎる匂わせ

 

登場人物どうしが関係をもったのか、どういった感情をもっているのか、どうしてそんな行動をとるのか、といった詳しいことはほとんど明言されません。観ている側それぞれに解釈を任せていくスタイルで、観終わってからも考えさせられます。

もちろん、ただ無造作に含みを持たせるような作りにはなっていなくて、表情や道具の使い方、仕草によって不快感なく匂わせてくれました^^

特に終盤、フィルとピーターが納屋で話す場面は、この映画の描き過ぎず省き過ぎずという特徴が最も出ていた気がします。
ここの2人の演技はすごすぎて脱帽ものです。俳優ってすごいんだなと、浅めの感想しか出てこないぐらいキャラクターにシンクロしていました…

犬の力

 

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』=犬の力の意味を知ることで、ここまで書いた登場人物の外見と特徴の一致、解釈の余地がある匂わせから読み取れることが一気に広がりました.…

この作品内に留まらず、実社会に重なる解釈、観ている私達自身に重なるメッセージまでこのタイトルから読み取れます。

「犬の力」というキーワードによって、スタンダードな物語の謎解き→実社会と重なる裏テーマ→観客に重なるメッセージと、次から次へと作品が広がっていきました^^

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

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