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【映画感想】伝えても伝わらない言葉 映画『聲の形』
漫画で読んだ記憶がうっすらあったので観ることにしました。漫画ももちろん面白かったんですが、”音”がついた映画で観ると一段と心にくるものがあります。
この記事は映画・漫画『聲の形』のネタバレを含みます。ご注意下さい。
あらすじ
退屈することを何よりも嫌うガキ大将の少年・石田将也は、転校生の少女・西宮硝子へ好奇心を抱き、硝子の存在のおかげで退屈な日々から解放される。しかし、硝子との間に起こったある出来事をきっかけに、将也は周囲から孤立してしまう。それから5年。心を閉ざして生き、高校生になった将也は、いまは別の学校へ通う硝子のもとを訪れる。
水
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京都アニメ―ションの水描写の綺麗さは『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』で思い知らされたんですが、特に水に絡んだ描写が多かったように思います。水の中では硝子と同じように音が聞こえないため多く使われたのではないでしょうか。そう考えると硝子は水の中で泳ぐ鯉と自分を重ねて餌やりをしていたのかもしれないです。
涙
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自然と溢れるような涙の描写が印象的でした。「涙がこぼれる」という表現をそのまま描いたようなシーンには必ず心動かされるはずです。何度ももらい泣きしますし、ラストシーンはじんわりと涙がこみ上げてきました。
いじめ
漫画に比べると小学生時代のいじめの描写はマイルドになっていた気がします。それでもこのシーンはかなり辛かったです。行動の結果を考えられない故の残酷さと、幼い子を責めてもしょうがない虚しさがありました…
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担任の先生の態度は少し引っかかる所がありました。いじめの存在を知っていても硝子に寄り添う様子がなかったので、いい先生だとは到底思えません。現実でもこういう事は少なからずあるんじゃないでしょうか。
ごめんなさい
この言葉の意味をこんなに考えたことはありませんでした。作中にもあるようにこの言葉を言うことで話を終わらせてしまう、言ってしまえば言った方の一人勝ちになってしまう言葉です。(もちろん場合によりますが。)
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この言葉をすぐ使うとその場しのぎにはなりますが、長期的な目で見るとお互いにとって良くないのだと感じました。相手と話してしっかり理解してから使うよう心掛けたいです。
伝えること/伝わることの大切さ
耳の聞こえない硝子に注目しがちですが、どの登場人物も伝えることと伝わること(理解すること)の大切さを感じさせてくれます。特に観覧車でのシーンは観る側にも伝わっていなかったことが分かったので印象に残りました。
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硝子が将也に告白しようとするシーンは特にもどかしかったです。将也がもう少し日本文学に詳しかったら、「月」と勘違いしても伝わっていたかもしれません。
ラストシーン
安易に硝子と将也が付き合ってハッピーエンドではなく、皆が過去と向き合って、話して、理解して前に進むという終わり方で良かったです。途中まで登場人物に抱いていた負の感情が、最後綺麗さっぱり無くなって爽やかに見終えることが出来ました。
最後に
道徳の時間に観てもよさそうなほど現代の子供たちの様々な問題が盛り込まれていました。大人でも怖がらずに伝えることと相手を理解することの大切さを実感できるはずです。
最後まで読んで頂きありがとうございました!!
画像の出典
映画 聲の形 : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)
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