【映画感想】悪魔的住民が住む田舎町からの、決死の家出ムービー Netflix映画『悪魔はいつもそこに』
作品の内容は何なのか分からないまま、トム・ホランドが出ているというだけで観ることにしました笑
やっぱり若めの役を演じていますが、『スパイダーマン』でのイメージとはまた違ったシリアスな役柄です。
キャストがかなり豪華で、クセのある魅力的なキャラクターにそれぞれはまっているので飽きずに観れます。
あらすじ
オハイオ州の田舎町。幼い頃に両親を相次いで亡くしたアーヴィンは、祖母の元で義妹レノラとともに育つ。亡き父にまつわるトラウマを抱えながらも、愛する家族を守ろうともがくアーヴィン。そんな彼の運命は、世俗の欲にまみれた牧師、殺人鬼カップル、腐敗した保安官らの思惑と絡み合い、暴力の連鎖へと引きずり込まれていく。
素行に難ありの登場人物たち
主人公アーヴィンを中心に複数の視点から描かれます。どの視点の人物もほぼほぼ全員が胸クソエピソードに絡んでいきます;;
目立つところで言うと信仰にとりつかれたアーヴィンの父親や、自分で妻を手に掛けた牧師(『ロキ』の人)、色狂いの牧師(『ザ・バットマン』の人)などが挙げられます。
私が個人的に一番不快だったのはアーヴィンの祖母が息子(アーヴィンの父)に対して結婚相手を押し付けようとするシーンです。
人が死んだりしない分他のシーンと比べて目立たないかもしれないですが、結婚させるという誓いまで立てて自分の行いが正しいと思っている姿は、観ていてあまりよろしくない感情を抱いてしまいました笑
ここで怒ったりせずに教会にもついていく息子は偉すぎます…
悪魔はいつもそこに
常に悪魔のような所業をしている殺人鬼もいれば、一瞬魔が差してしまった敬虔な信者まで、どんな人にも悪魔がついてしまう=道を外れてしまう可能性があることは本作でずっと感じさせられます。
その代償もしっかり描かれ、皆無事には終わりませんでした…
レノーラは一時の迷いで妊娠してしまったにしては、あんな可哀そうな最期じゃなくても…と思ってしまいます;;
でも、自殺しようとした段階で赤ちゃんを殺そうとしていたということになり、他の人と罪の重さは大きく変わらないのかもしれません。
一方で、死体を撮りたがるド変態殺人鬼はそこまで強烈な最期を遂げませんでした。
悪いこと(程度はそれぞれ)をしてしまう可能性が平等にあることと、そのしっぺ返しの不平等さが描かれていたように思います。
独特な演出
シリアスな会話や暴力シーンでさえ、リラックスできそうなカントリーミュージックが流れ続ける異様な映画でした…
序盤から最後までたびたび入るナレーションはかなり充実していて、最後のアーヴィンの思考も一から十とまではいかないものの一から八ぐらいまでは教えてくれます。
ナレーション部分は観る側にゆだねる部分が少なく少し味気なく感じます。
その分「父の思考か自分のかあいまいだった」などの魅力的なフレーズがたくさん出てきます。
原作の小説があるらしいので、その良さが出ているのかもしれません。
最後に
最初こそいろいろな人の視点から描かれますが、終盤につれて人が少なくなっていき(死んだからですが;;)上手く一本の物語に収束していました。
あんなにたくさんの要注意人物が町にいたら、誰でも出たくなります笑
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