表裏一体の善いナースと悪いナース Netflix映画『グッド・ナース』
実話に基づく映画というのは分かったうえで観ていたんですが、本当に実話なのかと疑うほど恐ろしいナース×サスペンス映画でした…
病院では観ない方がいいかもしれません笑
あらすじ
シングルマザーの看護師エイミーは自身も心臓病を抱えながら過酷な夜勤を続け、心身ともに限界を迎えていた。そんな折、彼女の部署に親切な同僚チャーリーが配属される。2人は友人として固い絆で結ばれ、エイミーは彼のおかげで自分や娘の未来に希望を持てるようになっていく。しかし病院でインスリンの大量投与による患者の突然死が相次ぎ、チャーリーがその第一容疑者として浮上する。
上手すぎるストレス描写
最序盤にエイミーが病気、子育て、仕事でストレスを蓄積していく描写があるんですが、ここがあまりに上手く作られていてびっくりしました。
仕事も病気も子育ても、全てがお互いに悪い影響を与えてボロボロになっていくエイミー。最初は気にならなかった病院の計器の音や娘の声まで、観ている側もストレスに感じてきます。
特に発作が起こるまでのシーンは観ていて息が詰まりそうでした…
実話ベース
登場人物に細かくフォーカスするというよりは、この事件に関わるナース、警察、病院関係者の様子を淡々と描いた映画です。フィクションだったらつまらないかもしれませんが、実話をもとにしているという前提があることで現実と結びつきやすくなり、怖さが倍増しています…
今の日本でこんなことは起こらないと思いますが、それでも入院中に思い出したくない事件です;;
殺人鬼の怖さ<組織の怖さ
チャーリーはエイミーに対する態度が変わっていないにも関わらず、正体が分かった瞬間危険な殺人鬼にしか観えなくなります...
優しい看護師にもサイコパスにも観えるキャラクターを自然に演じるエディ・レッドメインは凄すぎます^^
あの魔法使いの面影は全くなかったです...
ただ、チャーリーよりも病院の隠蔽の方が数倍怖く感じてしまいます。
この映画を観終えると、殺人鬼に襲われるよりも命を預ける組織に裏切られることの方が現実的に思えてなりません;;
エイミーとチャーリー
実際の事件とは離して、あくまで今作の内容だけ観て『グッド・ナース』について考えてみます。
チャーリーはボロボロになったエイミーを助けるため、彼女の担当患者を少なくするために、殺人を犯していたように観えました。
加えて、チャーリーの元同僚が「彼についてはあまり話したくない」と言葉を濁すシーンがあります。実は彼女も担当患者が少なくなった恩恵を受けていたということなんじゃないでしょうか...
さらに、二人が重なるようにデザインされたポスターからは、追い込まれたエイミーがチャーリーのような犯罪を犯してしまったかもしれない可能性まで考えずにはいられません。
チャーリーも一部の人にとっては、『グッド・ナース』だったのかもしれませんね...
そう考えると事実に基づきつつ、過酷な医療現場にも多めに焦点を当てた映画に観えてきます。
最後に
主演二人の演技が圧巻で、少ない時間でもサスペンスの緊張感をしっかり味わえました。
病院がほんの少し怖くなる反面、医療従事者の方には自然と感謝の気持ちが湧いてきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
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