見出し画像

【復刻記事02】佃煮のりおは何故叩かれるのか〜クリエイターと運営の苦悩〜

※この記事は、旧アカウントにて2020年6月22日に投稿したものをリメイクしました。

どうも。とある地方の理系院卒です。

 今回は犬山たまきくんとその生みの親である、佃煮のりおさんについてお話していきたいと思います。
 佃煮のりおさんと言えば、数々のヒット作品がある漫画家で、その容姿端麗さも話題になりました。
 その別人格(?)である犬山たまきさんは、「男の娘VTuber」としてデビューし、VTuberらしからぬ下ネタ路線の企画で話題を呼びました。

 そんな犬山たまきさんと佃煮のりおさんですが、その活動方針からも批判の声が少なからずあるようです。今回はその批判の一部について考察していきます。

クリエイターも人間

まず、私たちファン側の話をしていきたいと思います。

 佃煮のりおさんや伊東ライフさんのような、漫画家や同人作家として、一定の人気を得ている一方で、バーチャルYouTuberとして積極的に活動しているクリエイターさんに寄せられる批判の1つは、「そんなに金儲けしたいか」というものです。
 確かに、一定の名声を得ている人であれば、敢えてYouTuber活動をしなくても、生活はしていけるかもしれません。

 しかし、私はこの意見には賛同しかねます。むしろ、「クリエイターが儲けようとして何が悪い」と思う立場です。
 生活をしていく上でお金はあればあるほどいいというのはもちろんのこと、(失礼な言い方になりますが、)私は他のクリエイターが儲けようという意識が無さすぎでは?と思っています。

 クリエイターが理不尽に損害を被った例として、「けものフレンズ」で一躍有名になったたつきさんが記憶には新しいでしょう。

   たつきさんは、その有り余る程の才能を生かし、TwitterやYouTubeなどで、けものフレンズの外伝のようなものやオリジナルアニメを無料で公開することもありました。

 しかしたつきさんは、その後けものフレンズの監督を降板させられ、更には印税をもらって居ないことが発覚しました。
 監督降板の理由としては、「許可なく作品を利用したから」というのがKADOKAWA側の言い分です。これは後に正式な契約があったことが分かり、一方的に降板させられたことになります。また、金銭授受も由々しき事態であることは言うまでもありません。

 長々と話しましたが、要するに、たつきさんのように、天才的な能力の持ち主だけれども、失敗したり利用されたりという例は少なからずあると思います。ですので、自分でマネジメントできるクリエイターは積極的にプロジェクトを主体的に動かすべきだと思います。

 お金の話ばかりをしていますが、それほど日本はクリエイターへの報酬が低すぎると感じているからです。いつからか、「無料で作品を見るのは当たり前」みたいな感覚が蔓延ってしまった感じがあります。
 私たちは本来、自分が良かったと思う作品には、(お金などの形で)恩返しをしなければなりません。クリエイター側にも生活が掛かっていますし、その作品を持続させるにはお金がどうしても必要です。

 ですので、犬山たまきを持続させるには、また、佃煮のりおとして活動し続けるためには、積極的なマネジメントは必要な事だとおもっています。

他箱運営との違い

 以前このような事がありました。
 犬山たまきさんがのりプロに所属している白雪みしろさんや愛宮みるくさんと自身のチャンネルで晩酌雑談配信を行いました。この時、最初の1時間は公開配信をしていましたが、その後は犬山たまきのメンバーシップの方しか視聴できない配信をするというものでした。
 この話を聞いたファンの中には「これは意図的に犬山たまきのメンバーシップに誘導しているのではないか」「白雪みしろと愛宮みるくは犬山たまきの言いなりになっているのではないか」との批判が相次ぎました。

 確かにこれは一見、他のVTuberのファンを犬山たまきさんのチャンネルのメンバー登録に誘導している行為に捉えかねないものですが、私はおかしくない行為だと思っています。

だって運営だもん。

 犬山たまきさんのチャンネルは、「佃煮のりおさん」のチャンネルでもあり、転じて言えば「のリプロの運営のチャンネル」としての側面も今後持つことになりましょう。そう考えていけば納得がいきます。

 他のVTuber事務所で例えるなら、ホロライブはライバーの各個人のチャンネルの他に、ホロライブ運営の公式チャンネルもあります。
 このチャンネルでは、3D化したライバーがアニメーションで出演したり、様々なライバーがこのチャンネルで企画を行ったりしています。
 そして、ニコニコ動画のチャンネルではメンバー限定配信も行っております。この運営ではこのことに関してはさほど批判の声が聞こえないように思えます。

 ではなぜ、犬山たまきさんには批判が殺到したのでしょうか。それは、佃煮のりおさんが表に立っていることが原因の一つとしてあり得ると思います。ホロライブの運営は谷郷さんがいじられ役としてライバーの話題になったり、友人Aさんが裏方として出演したりがするものの、「誰がこのチャンネルを運営しているのか」「誰がこのメンバーシップのシステムを採用したのか」が明確ではないため、このような議論がないし、「何もないところにライバーが集まっただけ」という感覚さえもあると思います。
 ただ、佃煮のりおさんは明確に「犬山たまきチャンネル」でそのシステムを採用したことで言ってしまえば「お金の匂い」を感じやすくなったのでしょう。そう考えてみると不憫だなあと感じます。

おわりに

 「クリエイターは儲けなくていい」「VTuber業界でお金の匂いをさせるな」という考え方はあまりにも傲慢なあと考えますし、クリエイターは今まで以上に報酬をもらうべきだなあと私は考えます。佃煮のりおさんはVTuberをクリーンに運営している印象もあるので、是非佃煮のりおさんのようなクリエイターが今後活躍してほしいなと思う今日この頃です。

それでは。


旧アカウントで頂いたコメント

Q1
もう1年も前の話なのでコメントも野暮かもしれませんが…
要は財布を分けてない、と多数が認識したからでしょう
ホロ、にじはチャンネル運営は明確になっている(私の読解力が足らなければ申し訳ありませんが、本文では上記2社が明確でないと書かれているように見えたので)、少なくともライバーだけでなく裏方の人件費も考えたら財布が分かれているのは当然と考えるかと。
犬山たまきないし佃煮のりおは、あくまで個人事業主の延長で事業をやってるでしょうし、「誰に」「誰のため」という観点で、「なんで一個人の財布に一度金を入れなきゃならんし、どんぶりで生活のカネか分からん勘定されるのは筋が通らん」ということになりませんか?一般企業とて会社のカネ≠社長のカネではないですし
A1
コメントありがとうございます。
そこについては仰る通りで、メンバーシップの件は、例えば「のりプロチャンネル」というものを作るのがベストではあります。
ただ、当時はのりプロが本格始動して間もない頃で箱自体が小さかったことと、「犬山たまき≒佃煮のりお」という認識が通っていることで、自身のチャンネルをのりプロの運営チャンネルのような側面を持ってもいいじゃないかという気持ちも分からなくはありません。
メタな話ですが、のりプロについては、「社長がVTuberとして出演している」という部分が他箱とは明らかに違うので、難しい部分がありますし、2期生がデビューした現在では、当然運営方法も変わってきているとは思います。

本記事では、「佃煮のりおは金の亡者だという認識は間違いである」「のりプロはクリーンな運営である」という部分にフォーカスを当てていましたので、その辺りは深く掘り下げていませんでした。ご指摘ありがとうございます。