#24-S アンケート調査は疑ってかかれ

疑って「かかれ」っていうのは、自分が調査側の人間だったらという意味です。

アンケートっていうと嫌う研究者もいますが、正しくは質問紙調査ですね。いわゆるアンケート。笑

あなたは〇〇ですか、とか、普段〇〇をする頻度はどのくらいですか、みたいな質問に 「ほとんどない あまりない よくある つねにある」みたいな選択肢から一つ選んで丸をつけていく、みたいなアレです。

学部生のころに、初めて先輩の質問紙調査に参加して、こんなので何がわかるんだろ?と思ってました。統計を学んだ今ではその理屈には納得しています。まぁ、そのころの先輩方が十分な解析などをやっていたとは思えませんが…笑

さて、紹介する研究はこちら。
紹介論文:三浦 麻子, 小林 哲郎, オンライン調査モニタのSatisficeに関する実験的研究, 社会心理学研究, 2015, 31 巻, 1 号, p. 1-12

教示文(質問文)をちゃんと読んで、指示どおりに行動する回答者がどの程度いるのかということを検討しています。

オンライン調査の問題をやや長文にし、最後の方で「以下の問いには何も答えずに次に進んでください」と明示して、それっぽい問題文を並べます。つまり、この調査では「回答をしない」が正解になります。

2社のオンライン調査会社(匿名でした)の協力を得てこの調査を実施しました。その結果。。。

なんと1社では51.2%、もう1社では83.8%の回答者が答えてしまった(ちゃんと問題を読んでない)という結果が…!


そ、そんなに…!


これまでの様々な(本当にたくさんの)調査研究も、どのくらいこの影響が起きているのかわかりませんね。。。

ただし、この調査には反論があって、そもそもこのような調査の場合、個々の項目の問題文が重要であって、最初の文章を長文にしてしまうのは設問がよくないのではなどの反論もあります。

にしても平均6割強って、すごい気がします。こわい。

まとめ
アンケート調査をする際は、「適当な回答者」に気をつけろ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?