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問題を抱え込みすぎて潰れないようにするために

私は梱包資材を扱う会社で営業をしている。
梱包資材をお客様に売る傍ら、梱包資材のメーカーと梱包資材を求めているお客様の間に入る商社の役割も果たしている。

今回は梱包資材のメーカーとのやり取りであったこと。


午前9時。
最近は案件がたくさん入ってきているので、朝の打ち合わせが終わった瞬間、即仕事に取りかかっている。
締切がだんだん近づいているので心の余裕が全くない。

1本の電話がかかってきた。
ダンボールを作るメーカーの担当からだ。
私はドキドキして汗がたらりと流れ始めた。

ダンボールメーカーの担当は私の二回り半ほど年上のおじさんである。
私はこのダンボールメーカーの担当の方に盛大に怒られたことが一度ある。でも、それから少しずつ嫌味を言われるようになった。それが数回続いている。
私はそれが凄く苦痛で電話がかかってくる度に「また何か言われるんだろうな…」と恐怖を感じていた。

電話に出ると、いつもの不機嫌そうな声が聴こえる。
恐怖はピークに達していた。
また今日もネチネチネチネチとした言い方でひたすら嫌味を言われる。
私はもう「すみません」「申し訳ございません」としか言えなくなる。
それでもネチネチ嫌味は止まらない。

焦っているからなのか相手の話が全く頭に入ってこない。
謝ったとしても許してくれない。何を言えばいいのか分からない。
というか私はなんのために謝ってるんだ??

そう思った瞬間、思わず涙を流してしまった。
ずっと涙を流さないように我慢をしていたはずだったのにダムが決壊したような勢いで涙が流れた。
私はそのまま電話をし続けた。
「ずみ"ま"せん  ずみ"ま"せん…」と声もペンを持つ手も震わせながら謝り続けた。
相泣いているのを察したのか相手が急に謝り始めた。
そして話を終わらせようとしていた。
電話が切れた。
泣いてから電話が切れるまで何を言われていたのかは全く記憶に無い。

この時の私はパニックですぐ仕事に戻ることができなかった。なので落ち着くまで別室に移動することになった。

落ち着きはしたものの、頭の中では「死にたい」「生きてる意味がない」とネガティブな考えで埋まっていた。


しばらくして、同じ営業の上司が様子を見に来てくれた。
ダンボールメーカーの担当と電話をするのが苦しかったことやそれが今日だけでは無いことなどいろいろ相談した。

上司からアンサーが返ってきた。
「toracoさんはなんでもかんでも抱え込みすぎだよ」と。
苦しいこととかがあったら自分だけでどうにかしようとせずに、俺たち上司や事務員さんに相談してほしいという答えをもらった。

でも、私は相談するというのが失礼というか、申し訳なく感じてしまう。
私が上司に相談したすると、その相談をした分上司のやるべき仕事をする時間を奪ってしまうのではないかと思ってしまった。
また、そんな小さな相談ごときで笑 とか笑われていたら… ちゃんと考えれば1人で解決するようなものだったらどうしよう…と考え込んでいた。
だから、あまり他の人に相談しないようにしようとしていたのだ。

それに対して上司は「別に時間とか気にしてないし、笑いもしないよ」と言った。
どうやら「他人の時間を奪ってしまう」とか「笑われてしまう」と思ってるのは自分の妄想で実際上司はそんなことを思っていないそうだ。

おそらく、自分で解決しないといけないと自分の中で決めつけてしまっていた。
上司は「仕事に関係無い話をダラダラとしなければ、いくらでも相談してほしい」と言ってくれた。
私は凄く安心した。
上司の本音を聞くことができて全部が自分の思い込みだと知ったとき、暗闇の洞窟に明かりを照らしたときのような視界がハッキリ見えるような感覚になった。

今までは自分の問題・やること為すこと全て自分で責任をもって解決に向かわなければならないと決めつけていた。
でも、私は社会人になって3年目で何も分からないことがまだたくさんある。
その中で大きな壁にぶち当たった時は会社にいる経験豊富な上司たちが助けてくれる。会社外では他人だが、会社内では「仲間」である。
そう、村にいる時は他人だが村から出たときは仲間に助けてもらいながら戦う。まるでドラクエである。

これからも経験豊富な仲間たちに頼りながら、前に進む方法を探していきたい。

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