冒険の書を読む

数年ぶりに『The Adventures of Tomswayer』を読み終えました。そのユーモアや展開の素晴らしさに改めて感銘を受けながら、以前読んだ時とはまた違う発見がありました。

物語ですから、間接話法を用いながら場面場面で会話形式等が用いられ、辞書を引いても文法的な用法がわからない部分もあるのですが、その英文の文脈等から心理的な推察をしながら読みすすめて行くという面白さを感じました。

先日、論家でもある坂東眞理子さんが婦人公論.jpに寄せた記事の中で、「会社員家庭と、商売を営む家庭の大きな違いは、このアントレプレナーシップやオーナーシップが備わっているか否かでしょう。」と言っていました。大小にかかわらずビジネスが持ちつ持たれつであることを踏まえて、親たちがご近所付き合いを大切にしながら働く姿を見て育つことで、子どもたちの視野は広がりやすいというような内容でした。

話を戻しますが、トムとハックが手に入れた金貨の使いみちについて、特にOrphanであるハックに対して「身なりを整え学校や教会に通えるように、また、トムソーヤークラブに入って仲間と遊び、そして将来ハックが自分でビジネスを立ち上げる資金」、そんな風に語り掛けられていました。子供たちの活き活きとした日常や冒険と同時に、社会や歴史上の問題をリアルに描き出すという著者自身の冒険を読んでいる、そんな気がするのです。

以上、メモしてみました。

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