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なつやすみの日記〜ムネアカオオアリ〜

ムネアカオオアリも飼育している

結露やタッパーそのものの不透明さで見づらかったので、補正をかけた画像


他のアリたちは性質の面白さや虫を寄生させるための土台の育成だとか、ただ可愛がるための愛玩動物とは若干違う意味合いで飼い始めたのだが、ムネアカオオアリに関しては違う気がしている。
完全に可愛がるために飼い始めた。

彼女は非常に愛らしく思えるのだ
犬、猫、ハムスターに抱く感情である。彼女が何かしているのを見ると思わず話しかけてしまう
他のアリたちにもときたま話しかけているが、ムネアカオオアリに対しては言葉遣い、声色が違ってしまう
所謂、猫撫で声というやつである。
名前だって付けた。艶があり、太くて中身の詰まっている腹を見て、「原木ハム」って
他のアリには名前なんて付けないのに…(死んだら悲しい、同種どうしをきちんと識別できないというのはあるが)

彼女を拾ってきた時に持っていた、6個の卵の一つがいよいよ繭になった。
数日前の事である。

他のアリであれば持ち帰ってからすぐにワーカーが羽化してもしばらく大丈夫な巣で飼おうとするが、彼女はそうしたくなかった
近くに置いて、ずっと眺められるようにしたかった。
艶のある腹部。傷ついてうまく動かない中脚。繊細、器用に動く触角、口器、前脚。卵を大事そうに抱えたり舐めたりする仕草
ずっと持ち帰る時に使った小さなタッパーに入れている。
無論他のアリでも長時間眺めていたいのだが、見始めると止まらないので敢えて作業中は見えない範囲に置いているのだ。
普通は

しかし彼女を持って帰った時には既に、自分をコントロールできなくなっていた。
いや、コントロールしないと決めたのだ。

しかしタッパーでは間に合わなくなってしまった
まもなくそうなる。
これを機に、机以外に置くのも良いはずだが……
…コントロールできない

私は普段文章を書く時はカッコつけず、しかしある程度個性的、あるいはダサくなるように気遣って書くのだが、倒置法や体言止めでカッコつけ始めるくらいに自身をコントロールできない
気付けばこんなものを作っていた

もうちょっと撮り方なんとかならんのか
ガラス面への写り込みが酷かったんです、ゆるして
コルクブロック内
このあと養生テープで固定した

水槽とコルクのブロックを購入し、コルクを雑ながらも切削して作っていた。
完全に理屈抜きで始めた。当の本蟻たちに快適かどうか…

一応彼女らの行動を意識して作られているように思う
湿度の勾配ができるように一応は部屋を分けた。
また、加湿しやすいように外に飛び出したのチューブがある。
彼女らの意思で自由に拡張できるように、コルク製にした。
手狭になったらすぐに拡張できるように、テープ止めに留めた…(これは多分ズボラなだけ)

私が彼女に抱いているのは、偏愛である。
彼女の事を思えば、試験管の巣に移すべきだったし、光や振動ストレスを与える場所に置くべきではない。
実際このコロニーの立ち上げが上手くいっているかといえばそんなことはなく、卵は一つしか繭になっていないのだ。
最近卵を追加で産んだりしたけれども…
真に彼女を想っているかと言えば、疑問符が付くが

しかし見たい。
彼女らの意思で、好きにリフォームしたり、石膏で作った場合よりはきっと広々としていて立体的な水槽内を、好きに歩き回ってほしい。

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