![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/98135412/rectangle_large_type_2_b83fc9175f09d302f86e12a4b44f716e.png?width=1200)
かおいろ。
今日のキミは笑顔だった。
だからボクも笑顔で話しかける。
「今度、あのパン屋さんに行こうよ、おいしからさ!」
今日のキミは疲れ顔。
だからボクも疲れ顔で話しかける。
「なにか、手伝えることはある?」
今日のキミは悲しい顔。
だからボクも悲しい顔で話しかける。
「どうしたの?なにか嫌なことあった?」
今日のキミは楽しそう。
だからボクも楽しくなる。
「いいことあったの?教えてよ」
毎日キミに合わせて話しかけた。
キミの気持ちと、生きてきた。
だからいつしか、ボクの気持ちが分からなくなった。
キミに何かを聞かれても、
ボクはいつだって「なんでもいいよ」になってしまった。
キミへの思いと引き換えに、ボクは「かおいろ」を失った。
だから、キミの為に生きたことは、間違いだった。
花に囲まれ眠るキミを見て、お別れの言葉すら、浮かばないから。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?