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秩序が守れない歪なパズル。

4つの蛇口を目指して、無数の児童が猛進する。

自分が一番だと言わんばかりに、無意味な争いが勃発する。

学校で教えるべき秩序は、そこには微塵もない。

だからボクは一人、校庭側の蛇口を目指す。

蛇口が4つだけではないことを、知っているから。

自分一人が得をしたいわけなじゃない。

他の人が少しでもスムーズに、蛇口にたどりつけるように。


けれどもボクは、大声で叱られた。

みんなと同じ行動ができていない、それが理由で。

『秩序を乱さない人間が集まることで、平和な社会が作られる』

従うことの出来ない人間は社会に通用しないと、何度も教えられた。

だから、我が先という無意味な争いより、足並みを揃えない事が「悪」だと知った。

学校で教える秩序は、競争が優位にあって、身勝手な献身や効率改善は許されなかった。


いつでもどこでも、みんなと同じができない。

いつでもどこでも、足並みを揃えることができない。

いつもでどこでも、誰かの怒りを買ってしまう。

みんなが自然に従えることを、ボクはワンテンポ遅れてしまう。

他人から見たボクは、どの向きにもハマりにくいいびつなパズル。


そんなボクだから、いつも思う。

誰かや何かに従い、受け身で社会に溶け込めることが一番幸せ。

でも、自発的な受け身でない社会もあると信じている。

自分の居場所くらい、自分でつくれるはずだから。


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